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2020.10.03

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 第2節対戦結果レポート

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 第2節対戦結果レポート

『ストリートファイターV チャンピオンエディション』のカプコン公式チームリーグ戦“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020”。その開幕戦となる第1節では新ルールへの適応や各チームの戦略の違いにより明暗が分かれる結果に。リーダー同士がサブキャラクターで先鋒戦の先陣を切れば、一方で成長著しい若手が重要度の高い大将戦を務めたりと、開幕戦第1節からチーム戦ならではの熱い展開がいくつも見られた。

本記事では、第1節の各マッチにおける試合内容のレポートはもちろんのこと、各チームのメンバー起用やキャラクターBANにおける戦略の狙いなどについても考察する。いまだ序盤で手探りが続く状況の中、第2節では各チームがどのような戦略で相手チームと戦っていったのかその軌跡を振り返っていこう。

INDEX

ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020のルール
SECTION2 第2節組み合わせ

【MATCH1】ウメハラゴールド 対 ネモオーロラ
 ・出場選手
 ・BAN対象キャラクター
 ・先鋒戦:カワノ 対 sako
 ・中堅戦:ウメハラ 対 キチパ
 ・大将戦:まちゃぼー 対 ネモ
 ・総評

【MATCH2】フードガイア 対 モモチスプラッシュ
 ・出場選手
 ・BAN対象キャラクター
 ・先鋒戦:どぐら 対 ジョニィ
 ・中堅戦:ぷげら 対 藤村
 ・大将戦:ふ~ど 対 ももち
 ・総評

【MATCH3】マゴスカーレット 対 トキドフレイム
 ・出場選手
 ・BAN対象キャラクター
 ・先鋒戦:もけ 対 りゅうせい
 ・中堅戦:MOV 対 ときど
 ・大将戦:マゴ 対 ストーム久保
 ・総評

SECTION2 第2節振り返り


ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020のルール

・1ラウンド99秒、2ラウンド先取制。2試合先取で勝利。
・各マッチは先鋒・中堅・大将戦を行い、勝利すると先鋒、中堅は1ポイント、大将のみ2ポイントを獲得。
・全10節を終了した時点で総合獲得ポイントの上位3チームがグランドファイナルへ進出。
・各チームは4人で編成され、各マッチごとに出場する選手を選ぶことができる。
・各マッチでは出場選手3名が発表された後、相手チームが使用するキャラクターを1体指定し、そのマッチ内で使用不可能にすることができる(キャラクターBAN)


SECTION2 第2節組み合わせ

第2節の組み合わせは

MATCH1:ウメハラゴールド vs ネモオーロラ
MATCH2:フードガイア vs モモチスプラッシュ
MATCH3:マゴスカーレット vs トキドフレイム

となった。

全体を見てみると、第1節を勝利したチーム同士のマッチアップは無く、各マッチにおいて“初戦の勢いで連勝して勢いをつけたいチームvs.第2節で挽回して食らいつきたいチーム”という構図に。

見どころとしては、メンバー全員が複数のキャラクターをハイレベルに使いこなせるフードガイアと、メンバー全員が昨シーズンからメインキャラクターを変更しているモモチスプラッシュの一戦。

メンバー選出からキャラクターBANに至るまで、全組み合わせにおいて多くの選択肢が考えられ、お互いの思惑とそれに対する対応が鍵となりそうなマッチアップだ。


【MATCH1】ウメハラゴールド 対 ネモオーロラ

・出場選手

ウメハラゴールドは第1節と同様にナウマンをサポートに置き、ウメハラ、まちゃぼー、カワノを選出。実力で抜けているウメハラを筆頭に、初戦で動きが良かったまちゃぼー、カワノの両名を続投させることにより、大量のポイントを獲得するのが狙いか。

一方のネモオーロラはガチくんをサポート下げ、今期初登場となるsakoを投入。sakoはキャラクターの選択肢が多く、プレイスタイルも相まって対応力が非常に高い選手だ。 キチパと同時に投入することによりザンギエフでBANを消費させ、sakoとネモをフリーにすることにより、キャラクター選びの豊富さで試合を優位に運ぶ作戦か。

・BAN対象キャラクター

ウメハラゴールド側はウメハラのガイル、ネモオーロラ側はザンギエフがBAN対象となり、警戒されているプレイヤーやキャラクターが浮き彫りになってきている。

その点において初戦の結果を見てみると、第1節にてBANされた同士での対戦で、かたや勝利を収めたキチパ“アビゲイル”、かたや敗北を喫したウメハラ“影ナル者”。第2節もBANされたこの両選手のサブキャラでの活躍が、チーム全体に影響を与えるポイントとなることは間違いない。

・先鋒戦:カワノ 対 sako

先鋒戦は、カワノとsakoというお互いのチームがBAN対象の選手を避けた形。ネモオーロラとしては、今期初戦となるsakoの調子を見たい狙いもあるのだろう。カワノは、Shutoと並んで今季リーグ出場選手の中で最年少。一方のsakoは、最年長でありその年齢差はなんと20歳。

しかし、使用キャラクターで見てみると、長い間一貫してメインとしているカワノのコーリンと、最新キャラクターであるセスを起用したsakoというお互いの考え方やスタイルの比較が興味深いマッチアップだ。

セスは各種VトリガーとVスキルがそれぞれ有用であり、相手キャラクターや戦術によって様々な選択肢があるが、ここではVスキルに相手の技をコピーできる“丹田エンジン”、Vトリガーには逆転性の高い“丹田イグニッション”を選択。

一方のコーリン側はVスキル、Vトリガーともにほぼ安定である“インサイドスラッシュ”と“アブソリュートゼロ”の組み合わせだ。

開幕は堅実な牽制から始まる静かな立ち上がり。一進一退の展開では、Vトリガーを発動するために必要なブロック数が少ないカワノ“コーリン”が先に使用できる。この流れを利用したカワノ“コーリン”は第1ラウンドを先取し、続く2ラウンド目もラウンドを取り戻そうとしたsako“セス”に上手く対応。逆にスタンさせることに成功して試合を先制した。

第2試合は、相手の攻めを受ける立ち回りでは状況的に不利と見たsako“セス”が、序盤から攻めを見せ始める。カワノ“コーリン”はそれを鉄壁とも言える守りで受けるものの、自ら画面端に追い込まれてしまい、ミスからVトリガーを絡めた手痛いコンボを食らうことに。

ここで調子を上げたsako“セス”は、続く2ラウンド目を落とすもののEXゲージの優位を作り上げ、そのEXゲージを最終ラウンドでクリティカルアーツ“丹田ディストーション”を絡めたコンボに活用し、バトル取得数をイーブンに持ち直した。

最終試合は調子を上げたsako“セス”が、攻めも守りも柔軟に切り替え主導権を握る。1試合目で失敗したコーリンの“EXヘイルストーム”への対応を成功させたことで完全に試合を掌握し、そのまま勝利。各試合を通して、相手の動きを理解し的確に対応したsakoが貫禄の勝利となった。

・中堅戦:ウメハラ 対 キチパ

ネモオーロラが引き続きの調子の良さで先鋒戦を勝利すると、続いてウメハラとキチパというメインがBAN対象となった選手同士のマッチアップに。これは、ポイントが高い大将戦にサブキャラクターを持ってくることをお互いが懸念した結果だろう。

キチパは第1節と同様にアビゲイルを選択。一方、ウメハラは前情報にほとんどなかったセスを起用して周囲を驚かせる。これはリーチの長さを活かした立ち回りが強いアビゲイルに対して、リーチの短い影ナル者では分が悪いと考えたか。

ウメハラ“セス”はVスキルに“丹田エンジン”、Vトリガーに“丹田イグニッション”を選択。一方のキチパ“アビゲイル”は、Vスキルに“ハンガビー”、Vトリガーに“ハイブリッドチャー”を選んだ。

序盤はお互いが慎重な立ち回りで主導権を握ろうとする時間が続く。立ち回りはラウンド終盤まで続くものの、キチパ“アビゲイル”は勝負所での“ハンガビー”でウメハラ“セス”の攻撃を受け止めることに成功し、コンボを決めて体力差をつける。続く起き攻めでは、ウメハラ“セス”が無敵技の“EXマッドクレイドル”で切り返しを狙うも、無敵性能のない通常版が出てしまい、キチパ“アビゲイル”の攻撃を食らって勝負あり。キチパ“アビゲイル”がウメハラ“セス”のミスに助けられてラウンドを先取した。

キチパ“アビゲイル”は、続く2ラウンド目でも勝負所と見るや強気の選択肢を見せ、元々の体力が少ないセスに対してプレッシャーをかける。セスは負けじと投げを軸とした攻めを展開するが、それを逆手に取ったアビゲイルはセスの前ダッシュからの投げを読んでクリティカルアーツ“アビゲイラー”を決めて1試合目を勝利した。

強気な読み合いで初戦を取られ苦戦するウメハラ“セス”だが、引き続き一貫した冷静な動きで攻めの機会をうかがう。その我慢が2試合目途中から実を結び始めると、2ラウンド目の最後にはおそらくミスで放ってしまった“ハザードブロー”がヒットして試合を取り返す、思わぬ僥倖。これにはウメハラ本人も意外そうな表情を見せていた。

地道な我慢によってウメハラ“セス”が最終戦で流れをつかむかと思いきや、そこは日頃からザンギエフを使い続けてきたキチパの精神力が許さない。

ここまでの試合展開でウメハラ“セス”の動きにきっちり対応したキチパ“アビゲイル”が対空と差し返しで体力優位を作ると、序盤とは変わってどっしりとした立ち回りを繰り広げ、ウメハラ“セス”にチャンスを掴ませずバトルカウント“2-0”で勝利した。

・大将戦:まちゃぼー 対 ネモ

完全に勢いに乗っているネモオーロラに対し、なんとかここで勝利してポイントを獲得しつつ独走を止めたいウメハラゴールド。そのお互いの思惑の行方は、大将戦のまちゃぼーとネモに委ねられた。

まちゃぼーはメインキャラクターであるネカリを選択したのに対し、ネモはギルを選択。ネモのギルはユリアンと並んでダブルメインとしており、ネカリに対してはギルのほうが有効だと考えたようだ。

注目されたのはネカリがVスキルに“地を這う獣”を選択したこと。一方のギルは定番のVスキルII“ブロッキング”を選択。

試合序盤はこの“地を這う獣”が活躍。まちゃぼー“ネカリ”は“起き攻め”やネモ“ギル”の飛び道具への対策として、隙あらば“地を這う獣”を使用。Vスキルの多用によりVトリガーII“力の迸発(ほうはつ)”を早期に発動させ、あっという間に初戦を勝利する。

この展開はネモにとって想定外だったか、たまらず2試合目にはユリアンにキャラクターを変更。まちゃぼー“ネカリ”はキャラクターが変わろうとも依然ハイペースで攻めるが、ネモ“ユリアン”の“EXデンジャラスヘッドバッド”による割り込みを複数回受けてしまい、ペースダウン。一方のネモ“ユリアン”はVトリガーI“エイジスリフレクター”による得意の戦形を展開して試合を取り戻した。

最終戦も2試合目と同様にまちゃぼー“ネカリ”とネモ“ユリアン”の激しい打撃戦が展開。まちゃぼー“ネカリ”が積極的に前進するところにネモ“ユリアン”は“EXチャリオットタックル”を使って応戦。途中までは効果を発揮していたが、徐々にタイミングや距離感に対応したネモ“ネカリ”は、終盤にクリティカルアーツ“魂の献上”を決める。

残り僅かに体力が残ったネモ“ユリアン”は、しゃがみ弱キック2回から“エイジスリフレクター”を発動しコンボに繋げようとするが、2回目のしゃがみ弱キックが空振りしてしまう。その空振りにより“エイジスリフレクター”の発動が逆に隙となってしまった結果、まちゃぼー“ネカリ”のしゃがみ中キックが突き刺さりゲームセット。バトルカウント“2-1”でまちゃぼーのネカリが勝利し、ネモオーロラの連勝を見事に止めた。

・総評

第1節に引き続きネモオーロラが先鋒、中堅と制するものの、大将戦ではまちゃぼーが接戦の末に重要な大将戦を勝利。獲得ポイント“2-2”のイーブンに持ち込んだ。

ウメハラゴールドはリーダー兼ポイントゲッターのウメハラが苦戦を強いられている中、まちゃぼーが大将の働きをしっかりとこなしていることで、ポイントレースに遅れずに済んだことは非常に大きい。カワノもポイント獲得にこそ至っていないものの試合内容は非常によく、早い段階で1勝を上げることができれば大きく調子を上げそうな期待感がある。

一方のネモオーロラは大将戦こそ落としてしまったものの、着実にポイントを伸ばして合計6ポイントに。リーグ初戦のsakoとサブキャラクター使用のキチパが勝利したことは、チーム全体の調子の良さを感じさせており、引き続き上位にとどまることが予想できそうだ。

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 カワノ
(コーリン)
1-2 sako
(セス)
中堅戦 ウメハラ
(セス)
1-2 キチパ
(アビゲイル)
大将戦 まちゃぼー
(ネカリ)
2-1 ネモ
(ギル、ユリアン)
獲得ポイント 2 2

【MATCH2】フードガイア 対 モモチスプラッシュ

・出場選手

第2節MATCH2は、出場選手からBAN対象の選択まで、オーダーの予想がつきづらいフードガイアとモモチスプラッシュが対決。

まず出場選手においてはフードガイア、モモチスプラッシュともに第1節と同じ選手を起用。お互いがより幅広い戦略を取りつつも、相手チームへの対応力も考慮した選出といえそうだ。

・BAN対象キャラクター

続くBAN対象の選択ではフードガイア側はふ~どとぷげらが使用するポイズン、モモチスプラッシュはももちのセスが選ばれた。

フードガイアとしては、どぐらとぷげらがセスを使用していることからセス対策を準備していそうなものだが、ここではコーリンを選ばせる方が重要だと考えた模様。

一方のモモチスプラッシュとしては定石通りポイントゲッターのふ~どを警戒しつつぷげらのセスを引き出す作戦。

今期リーグでは今のところセスの出場機会が多いため、“セスを使える側とそうでない側”というところが勝敗のポイントとなるか。

・先鋒戦:どぐら 対 ジョニィ

先鋒戦はどぐらのベガとジョニィのGがマッチアップ。どぐらは第1節では大将戦を務めており、このようなオーダーの幅広さにフードガイアの強みが感じられる。

一方のモモチスプラッシュは、初戦と同じくジョニィを選出。こちらはどうやら若手に先鋒戦を任せ、その結果や相手のオーダーに合わせて残りの二人が対応に回る作戦だろう。

両キャラクターとも相手の攻めに対する回避手段が少ないことから、序盤は相手にペースを握らせないよう牽制技が行き交う落ち着いた展開に。

途中、どぐら“ベガ”がジョニィ“G”のコマンド投げ“G・インパクト”を空振りに反撃を決めたことをきっかけに試合は動き始め、通常投げや“サイコクラッシャーアタック”を絡めた攻めでGの防御を崩していく。

一方のジョニィ“G”もVトリガーI“マキシマムプレジデント”を使って逆転を狙うものの、どぐら“ベガ”の巧みな防御行動を崩すことができない。初戦はお互いのディフェンス面がポイントとなりまずはどぐら“ベガ”が勝利した。

じっくりとした試合展開では不利とみたジョニィは、キャラクターを変更して昨シーズンまでメインキャラクターに据えていたかりんを投入。高い攻撃力とスピードでどぐら“ベガ”のディフェンスをこじ開ける狙いを見せた。

この判断が功を奏し、2試合目は一転かりんペースとなる。不意を突いた前ダッシュから投げを決めると、続く攻めであっという間にどぐら“ベガ”を画面端に追い詰める。さらにはハイペースな試合展開によりどぐら“ベガ”のミスを誘発することに成功し、持ち前の攻撃力を発揮。どぐら“ベガ”側もそれに応戦するも、ジョニィ“かりん”はVゲージをVリバーサルに活用することで、攻守交替のきっかけを作らせずに一方的な攻めで試合を取り返した。

最終試合もジョニィ“かりん”ペースが続くが、どぐら“ベガ”も徐々に対応を見せ始めて試合は混戦模様となった。リスクよりリターンを重視して攻め続けるかりんに対し、どぐら“ベガ”はどんどんと攻め込まれつつも、ギリギリのところで凌いでいく。

2ラウンド目終盤には、ジョニィ“かりん”がどぐら“ベガ”を画面端に追い詰めて投げ抜けを誘発。ここに立ち強パンチからのコンボを狙うが、痛恨のミスでどぐら“ベガ”を画面端から逃してしまう。どぐら“ベガ”はジョニィ“かりん”の猛攻を冷静な判断で捌き続け、最後はしっかりと確定反撃を決めて勝利。バトルカウント“2-1”でどぐらのベガが先鋒戦を制した。

中堅戦:ぷげら 対 藤村

続く中堅戦はぷげらと藤村の組み合わせ。お互いのチームがリーダーを大将に残す判断を取った。キャラクター選択では、ぷげらはポイズンがBAN対象となっているためセスを投入。それに対して、藤村はメインの春麗かと思いきや豪鬼を選択。

この2キャラクターはトッププレイヤーの間で非常に評価が高く、その試合展開や結果が注目される試合となった。

先鋒戦とは打って変わり、試合は序盤からお互いがその高いポテンシャルを相手にぶつける展開に。ぷげら“セス”がVスキルI“丹田インストール”で藤村“豪鬼”の技をコピーしたコンボでパーフェクトを取り第1ラウンドを勝利すると、次のラウンドでは一転、藤村“豪鬼”がクリティカルアーツ“赤鴉空裂破(せきあくうれつは)”を決めてパーフェクトを取り返す。

そんな攻守が入れ替わる激しい内容でペースを握ったのは、ここまでEXゲージを温存していたぷげら“セス”側。3ラウンド目には再び攻めに回り、お返しといわんばかりのクリティカルアーツ“丹田ディストーション”を決めて試合を先制した。

両キャラクターの高い攻撃力がいかんなく発揮されたことで、それぞれの勢いを警戒する両者はディフェンシブな立ち回りへと変わっていく。

途中、ぷげら“セス”がマッドクレイドルを暴発させてしまうものの、藤村“豪鬼”は確定反撃を決めることに失敗。逆に隙を晒してしまったところにコンボを決められてしまう。

ぷげら“セス”は暴発のピンチがチャンスに変わったことでギアが上がったか、立ち回りの主導権を握って地上戦と空中戦を使い分け、少しずつ藤村“豪鬼”の体力を奪っていく。

藤村“豪鬼”も挽回するために攻め手に回るも、さきほどのミスが頭をよぎったかしゃがみ中キックから“ヒット確認”によるコンボを決めることができず、きっかけを掴み切れない。

試合は、そのままふげら“セス”が藤村“豪鬼”の逆転の起点となるVトリガーI“怒髪衝天”を使わせない戦術で封殺。バトルカウント“2-0”でぷげらのセスが勝利し、フードガイアが連勝となった。

大将戦:ふ~ど 対 ももち

フードガイア優勢で進む試合は、メインキャラクターがBAN対象となったリーダー同士の大将戦に続く。サブキャラクターであっても大将戦を務められるのは、互いに複数のキャラクターを使いこなすタイプの選手だからであろう。

ふ~どはストリートファイターVの初期から使い続けているR・ミカを選択し、ももちは前シーズンまでメインとしていたコーリンを起用した。

ここでは、キャラクターと選手のスタイルがマッチした“攻め”対“守り”というコンセプトの戦いに。ふ~ど“R・ミカ”は近距離での打撃と投げの二択を迫るためにチャンスをうかがい、ももち“コーリン”はそれをさせじと不用意な接近を迎え撃つ。

序盤はお互いの良さが見られる一進一退の攻防が繰り広げられるも、ふ~ど“R・ミカ”のジャンプに対して後手に回ったももち“コーリン”が劣勢に。ふ~ど“R・ミカ”はそれを機敏に読み取り強気の選択を増やし、まずはふ~ど“R・ミカ”の攻めがももち“コーリン”の守りを上回る結果となった。

2試合目でももち“コーリン”は試合を取り戻すために少しずつ攻め手に回るも、その前のめりの姿勢を逆手に取られふ~ど“R・ミカ”のめくりジャンプを許してしまう。

常に対応に迫られ焦りが見えるももち“コーリン”に対し、ふ~ど“R・ミカ”は次々と攻めながらも冷静な判断と読み合いで試合を展開。途中ももち“コーリン”が画面端からの脱出を図るも、VトリガーI“後ろからナデシコ”が巧みにヒットし、ももち“コーリン”に逆転のきっかけを掴ませない。

終始ふ~ど“R・ミカ”ペースで進んだ試合は、残り体力がきっちりと計算された“EXレインボータイフーン”でフィニッシュ。バトルカウント“2-0”でふ~どのR・ミカが圧勝した。

・総評

多くの選択肢の中でチームの総合的な戦力が問われた一戦は、フードガイアに軍配。フードガイアは、全てのマッチに勝利したことで合計7ポイントと序盤戦において大きな有利を作り上げた。
一方のモモチスプラッシュは、第2節までで獲得ポイントゼロと非常に苦しい展開に。試合内容から見ると先鋒のジョニィが健闘しているものの、藤村とももちの両名のギアが上がっていないように見える。

チーム戦において流れや調子というものはスコア以上に重要な部分であることから、オーダーなどに手を加えることによって「勢いづけの1勝」を狙っていくなどチーム戦略としての工夫が必要となりそうだ。

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 どぐら
(ベガ)
2-1 ジョニィ
(G、かりん)
中堅戦 ぷげら
(セス)
2-0 藤村
(豪鬼)
大将戦 ふ~ど
(レインボー・ミカ)
2-0 ももち
(コーリン)
獲得ポイント 4 0

【MATCH3】マゴスカーレット 対 トキドフレイム

・出場選手

第2節MATCH3は、マゴスカーレットとトキドフレイムが激突。マゴスカーレットは若手の水派の代わりにMOVを初起用。一方のトキドフレイムは、板橋ザンギエフに変わりストーム久保を初選出した。

両チームともに初試合となる選手の調子を確認したいといった意図が見えるほか、マゴスカーレットはもけとMOVを同時に出すことにより、ラシードか春麗のどちらをBAN対象にされても残るメインでチーム全体の安定を図るのが狙いか。

一方のトキドフレイムとしては、ラシードか春麗をときどかりゅうせいが引き受けつつ、ストーム久保が残るキャラクターに対して対応できるアビゲイルを使う作戦のようだ。

・BAN対象キャラクター

BAN対象キャラクターでは、お互いの試合展開の狙いに違いがみられた。マゴスカーレットはラシードがBAN対象に選択され、これはトキドフレイム側としてはより立ち回りに安定感があるキャラクターをBAN対象とすることで、乱打戦に持ち込みやすくするのが狙い。

一方のトキドフレイムはユリアンが選択され、これはマゴスカーレットとしては逆転性の高いユリアンのVトリガーI “エイジスリフレクター”を警戒し、立ち回りによる地力で勝負していくのが狙いだろう。

キーポイントは、初出場ながらメインキャラクターのBANを逃れたMOVと、メインキャラクターがBANされてしまったりゅうせいだろう。この二人がチームとして機能するかどうかが全体の明暗を分けることになりそうだ。

・先鋒戦:もけ 対 りゅうせい

まずは、定石通りにお互いメインキャラクターがBAN対象となったもけのキャミィとりゅうせいのセスが先鋒戦に。

両選手とも第1節をメインキャラクターで勝利しており、調子は上々。加えて、メインキャラクターでの活躍が印象強い二人であることから、今季リーグに向けたサブキャラクターの仕上がりが注目される1戦となった。

もけ“キャミィ”とりゅうせい“セス”のマッチアップでは、もけ“キャミィ”の“キャノンストライク”とりゅうせい“セス”の“アナイアレイトソード”という、それぞれの空中からの攻めに対してどのように対応していくのかが1つのポイントとなる。

序盤にりゅうせい“セス”が、もけ“キャミィ”の“EXキャノンストライク”に対して上から被せる形で“アナイアレイトソード”を使うことで対応。一方のもけ“キャミィ”は、歩きの速さを利用して“アナイアレイトソード”の空振りを狙い反撃を決める。

サブキャラクターながら相手への対策が互いにしっかりと見てとれる試合は、しゃがみ中キックからのヒット確認コンボで先手取ったもけ“キャミィ”ペースに。

もけ“キャミィ”は、両者がどこかで攻めに回るキャラクターという性質を利用し、まずはディフェンシブに立ち回ることで被弾を避けていく。そして、少ない攻めのチャンスを確実に通すことで起き攻めのチャンスを獲得。少ないチャンスをしっかりと通すことで試合を先取した。

主導権を握られ徐々に防戦となるりゅうせい“セス”だが、立ちガードとしゃがみガードを瞬間的に切り替えることで、相手の“ヒット確認”ミスの誘発に成功。

これにより息を吹き返したりゅうせい“セス”は、徐々に地上戦を優位に進めはじめて、もけ“キャミィ”を動きづらくさせていく。引いては地上で無理なら空中からというもけ“キャミィ”の意図をも正確に読み取り、的確かつ素早い対空判断を見せて試合とともに主導権を奪い返した。

ギアを上げたりゅうせい“セス”は、続く最終戦でももけ“キャミィ”の攻めを次々と捌くものの、もけ“キャミィ”も冷静さを失わずりゅうせい“セス”の攻めを早い段階で切り返していく。

攻めが強いキャラクターながらトッププレイヤーならではの高い対応力が鍵となった戦いは、最終ラウンドに“アナイアレイトソード”の空振りへの反撃をもけ“キャミィ”が失敗してしまったことで均衡が崩れりゅうせい“セス”優位に。

りゅうせい“セス”はその優位を堅実に維持し、最後はもけ“キャミィ”の接近に対し先読みした“EXヘカトンケイル”をヒットさせ勝利。サブキャラクターながら高い練度が見られた先鋒戦は、りゅうせいのセスが制した。

・中堅戦:MOV 対 ときど

中堅戦はMOVの春麗ととときどの豪鬼というマッチアップ。MOVとときどは古くから付き合いがあり、長い間トッププレイヤーとして鎬を削ってきた間柄である。

ときどは大将ではなく中堅に出ることによって、マゴスカーレットの鍵となる春麗とマッチアップすることに成功。オーダーの采配で優位を取ったトキドフレイムに対し、初陣となるMOVがどう食らいつくかがポイントとなった。

歴戦の猛者同士の試合は序盤からときど“豪鬼”が次々と仕掛けるところから始まった。受けに回った際の強さが武器のMOV“春麗”に対して、ときど“豪鬼”はハイスピードな仕掛けの中に“百鬼襲”を織り交ぜることで対応の難易度を上げ、“MOV“春麗”に無理をさせる”ことを狙っていく。

ときど“豪鬼”のその戦術が見事に当たり、割り込みの“EXスピニングバードキック”を誘って反撃を決めたり、対空ミスを引き出してコンボを決めることで1試合目を勝利した。

2試合目になるとMOV“春麗”も対応力を増し、自分の得意な間合いを作り始める。しかし、ときど“豪鬼”側はその状況をも想定していたかのように次々と攻め手を変え、MOV“春麗”の動きをときど“豪鬼”に対応させることに制限してペースを作らせない。

打撃技による差し込み、飛び道具を使った牽制、空中からの奇襲を巧みに使い分けるときど“豪鬼”に対してMOV“春麗”は苦戦を強いられる。最後には、相手の目論見通りに“スピニングバードキック”を暴発してしまう。

ときど“豪鬼”はその隙を見逃さずしっかりとクリティカルアーツ“赤鴉空裂破(せきあくうれつは)”を使ったコンボを決めてフィニッシュ。セットカウント“2-0”でときどの豪鬼が完勝した。

・大将戦:マゴ 対 ストーム久保

トキドフレイム連勝で迎えた大将戦は、マゴのキャミィとストーム久保のアビゲイルが激突。采配が完璧に当たっているトキドフレイムに対して、ここで勝利しないと獲得ポイントで非常に苦しいマゴスカーレット。

精神的に優位な状況で初試合となるストーム久保が、前期優勝チームのリーダーであるマゴに対してどのような戦いぶりを見せるのかが注目される一戦となった。

このマッチアップは、キャミィ側がアビゲイルの長いリーチをいかにして搔い潜ってチャンスを作るのかがポイント。

試合は序盤こそ定石どおりに攻めるマゴ“キャミィ”と受けるストーム久保“アビゲイル”という様子が展開されるものの、ストーム久保“アビゲイル”は守り一辺倒ではなく不意を突いた前ジャンプ強キックで大ダメージコンボを決めることに成功し、ラウンドを先取。

続く2ラウンド目も牽制の中にジャンプを混ぜることで空中戦を制し、続く起き攻めを成功。攻防をうまく使い分けることでマゴ“キャミィ”の意図を外したストーム久保“アビゲイル”が、主導権と初戦を手にした。

2試合目には、マゴ“キャミィ”がストーム久保“アビゲイル”を画面端に追い込む場面がみられるものの、ピンポイントで有効なジャンプ攻撃を通しストーム久保“アビゲイル”は主導権を保持。

ディフェンスに回りリードを守るどころか、VスキルI“ハンガビー”を使ったより強気な読み合いを仕掛けマゴ“キャミィ”のリズムを崩していく。

マゴ“キャミィ”が読み合いに追いつこうとすると、その一歩先を行く読み合いを仕掛けるストーム久保“アビゲイル”。そんな展開が終始続き、最後はもけ“キャミィ”の前ジャンプをしっかりと咎めて、クリティカルアーツ“アビゲイラー”まで繋げたストーム久保のアビゲイルがバトルカウント“2-0”で勝利。持ち味である読み合いの仕掛けと展開の上手さをいかんなく発揮し、大将戦を制した。

・総評

トキドフレイムが先鋒戦の勝利をきっかけに、大将戦の獲得ポイントを狙ったマゴの配置を読み取り、キャラクター相性のいいストーム久保をうまく配置するなど、オーダーの采配で有利に立ち完勝した。

試合内容を見てみると、りゅうせいは初戦から通じて仕上がりの良さが感じられる。特に今節ではサブキャラクターのセスを起用して勝利したことから、今後もポイントゲッターとして活躍するだろう。

マゴスカーレットは、MOVとマゴの両名がメインキャラクターを使って試合をとれなかったのが痛いところ。チーム戦術、もしくは個々の選手の調子のどちらかで光明を見出すことが必要だろう。

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 もけ
(キャミィ)
1-2 りゅうせい
(セス)
中堅戦 MOV
(春麗)
0-2 ときど
(豪鬼)
大将戦 マゴ
(キャミィ)
0-2 ストーム久保
(アビゲイル)
獲得ポイント 0 4

SECTION2 第2節振り返り

第2節を終了次点で見ると、序盤の出足にはっきりと差がつく形となった。順位ではトキドフレイムとフードガイアが、ともに第2節で4ポイントを獲得し7ポイントで首位。ネモオーロラは2ポイント獲得となり3位へ後退した。

ウメハラゴールドは第1節こそ1ポイントと出遅れたものの、第2節ではネモオーロラを相手に大将戦を押さえることで2ポイントを獲得。試合内容を見ても上位とそれほど差は感じられないため、これからの対戦カードによっては大きく伸びることが予想される。

残るモモチスプラッシュとマゴスカーレットは、非常に厳しい展開に。両チームとも勢いづくきっかけとなる勝利が欲しいところだろう。

また、第2節までで各チームにおける出場選手やBAN対象が見えてきていることから、これからは徐々に相手チームのチーム戦術に対する対応が必要とされる。

モモチスプラッシュとマゴスカーレットはそれぞれチームワークやマネジメントの良さが前評判で伝わってきているため、現在の課題点をチームの力で攻略し上位の牙城を崩すことを期待したい。

STREET FIGHTER 6 (ストリートファイター6)

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