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2020.10.29

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 前半戦振り返りインタビュー

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 前半戦振り返りインタビュー
チーム | ストリートファイターリーグ 公式サイト:CAPCOM

『ストリートファイターV チャンピオンエディション』のカプコン公式チームリーグ戦“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020”は前半戦となる第5節までが終了。ここまでで全てのチームが1回ずつぶつかり合った。

各節ではトッププレイヤー同士の激戦はもちろんのこと、オーダーやBAN対象の選択といったチーム戦略、サブキャラクターでの活躍など多くの見どころが生まれた。

公式取材班は第5節終了直後の各リーダーに直撃し、前半戦の振り返りに加え、後半戦への課題や意気込みについてをインタビュー。グランドファイナル進出をかけて各チームがどのように後半戦に臨むのか、その心中をお届けする。


第5節終了時 順位表

まずは、おさらいとして前半戦終了時の順位と各節終了時の順位推移を確認しておこう。

総獲得ポイントでは、ネモオーロラが15ポイントで他をやや引き離し単独首位。それにトキドフレイムとウメハラゴールドが3ポイント差で並び、その下にフードガイアが僅か1ポイント差で肉薄している状態だ。

成績推移では開幕戦を良い形で勝利したネモオーロラ、トキドフレイム、フードガイアが第2節以降もそのままポイントを伸ばし上位を独占。後半になり上位チーム同士の激突がはじまると、状況は徐々に変化。第3節まで少しずつポイント伸ばしていたウメハラゴールドが、第4節と第5節とチームで勝利し3位へ浮上した。


チームリーダー振り返りインタビュー

体の流れを把握したところで、続いては各チームリーダーのインタビューと公式取材班による前半戦のチーム動向や後半戦へのポイント予想をお届けしよう。

1位 ネモオーロラ

前半戦を首位で終えることができました。振り返ってみてどういった点が要因になったのでしょうか?

– ネモ
 首位で折り返せるというのは正直出来過ぎた結果だと思っているのですが、そうなったのはSFLの特徴でもある“BANシステム”と“オーダー”を、他チームよりも上手く活用できたからだと思います。

 ウチのチームの場合は、キチパのザンギエフかガチくんのラシードにBANが集中すると予測していました。ですので、二人には「特定の組み合わせならメインと遜色ないレベルで戦えるように」というお願いをして準備してもらっていたんです。

 実際にリーグ戦が始まってみたら、相手チームは予想通りのBAN選択でしたよね。ここまで来たら、あとはオーダーの読み合いで準備してきた相手と当たれるかがカギです。結果として、ここがしっかり噛み合わせられたのが良かったですね。

事前の準備がしっかり出来ていたんですね。では、後半戦におけるポイントはどのようなところでしょうか?

– ネモ
 前半戦で他チームとポイントを離すことが出来ていますから、後半戦は大将戦さえ押さえられれば“2-2”でそのまま逃げ切れると思うんですよ。ですから、前半戦に続いてオーダーについてはしっかり戦略を練って臨みます。

 これからはガチくんやキチパがメインキャラクターを使える場面が出てきますし、二人とも大将を任せられる人材だと思っています。各メンバーのポテンシャルとオーダーの幅広さを活かして、確実にポイントを稼いでいきたいですね。

公式取材班による前半戦レビューと後半戦予測

第1節でモモチスプラッシュに完勝したことで勢いに乗り、第5節までチームとして負けなしという抜群の成績のネモオーロラ。その原動力となったのは、5節中3回もメインのザンギエフがBAN対象となったキチパが、サブのアビゲイルで勝利した点だろう。

また、ポイント争いで最も重要な大将戦を通算4回勝利しているのも大きい。そのうち3回はリーダーのネモが勝利を収めており、采配と試合結果の両面でチームを牽引している。

後半戦はインタビューにもある通り、大将戦で負けることが続かなければ、グランドファイナルへ進出する確率は非常に高い。各プレイヤーが、信用度の高いリーダーの下で存分な動きができれば、まず問題のない状態だといえるだろう。


2位 トキドフレイム

前半戦を終えて2位は十分な結果と言えるのではないでしょうか? 振り返ってみていかがですか?

– ときど
 勢いよく序盤を駆け抜けられたので良かったなと思う反面、第3節から第5節まで続けて大将戦を勝つことができなかったので失速している危機感もあります。

 今のまま行くと、ポイントでほとんど差のないウメハラゴールド、フードガイアの2チームと熾烈な2位、3位争いになります。ウチのチームは前半戦に力を入れて相手チームのエース級キャラクターをBANに選んできたので、後半戦がギリギリの争いになった場合そのエース級の相手をしなければならないのが怖いですね。

 ただ、そういった見方は個人としてあまり成績が振るわなかったからというのもあります。チーム全体としては板橋ザンギエフがチームをうまく束ねてくれて、上手く機能していると思います。彼のそういった働きがあったからこその2位といえるので、すごく助かっていますね。

後半戦に向けて厳しい印象とのことですが、それに対する取り組み方はどのようなことを?

– ときど
 グランドファイナル進出を目標に、各選手がさらなる取り組みで後半戦に備えなければいけないのは当然のことですが、BAN選択やオーダーの予想が外れることが多かったので、その辺りも修正していきたいですね。

 僕自身は後半戦もメインキャラクターをBANされる可能性が残されているため、引き続き2キャラを準備しなければならないのかなと。また、前半戦でりゅうせいがサブのセスを使って活躍してくれたのがありがたかったです。後半戦ではメインのユリアンを使えるようになるので、さらなる活躍に期待したいですね。

公式取材班による前半戦レビューと後半戦予測

序盤にウメハラゴールド、マゴスカーレットに勝利した貯金で、そのまま上位をキープし続けたトキドフレイム。総獲得ポイント12ポイントでウメハラゴールドと並んでいるが、バトルやラウンドの得失点数で上回り2位で前半戦を終えた。

その支えとなったのは、りゅうせいの活躍だろう。第1節のウメハラゴールド戦では開幕戦にして大将を務め、カワノを激戦の末に撃破。これが勢いのきっかけとなり、第2節、第3節ではメインのユリアンをBANされながらもセスで勝利をおさめ、チームに貢献した。

ときど自身は自分の働きに厳しい見方をしているものの、その実は5戦4勝と十分な成績。確かに後半戦は、ウメハラゴールドやフードガイアに対するBANの選択肢は若干苦しいところもあるが、トキドフレイム自身もユリアンや豪鬼など強力な手札が残されている。

他チームの勢いにより左右されるところはあるものの、各選手が大きく調子を落とさなければ、グランドファイナル進出の可能性はかなり濃厚だといえるだろう。


3位 ウメハラゴールド

– 3位で終えた前半戦。首位も十分に狙える位置だと思いますが、チーム全体としての評価はいかがですか?

– ウメハラ
 もともと前半戦はガイルが集中してBANされて苦労するだろうなと思っていたのに、終わってみればこの位置につけたので本当に強いチームだなと。

 今期のSFLはメンバー全員が前後半で最低1回以上出場しなければいけないから、4人目の選手をどこで出すかという判断が難しい。でも、ウチの場合は第4の選手であるナウマンが5節中2回も出ていることから、優先順位が低いわけではなく、ただ適切な場所で選んでいる状態なんですよ。そういったチームとしての層の厚さが他と違うポイントですね。

後半戦に臨むうえで調整すべきポイントはどんなところでしょうか?

– ウメハラ
 何かを変えていくということで言えば、自分の場合、前半戦は“影ナル者”にかなり力を入れて練習していたんですよ。並行してガイルへの取り組みも続けていたから、かなりハードなスケジュールでした。

 その負担を後半戦では他メンバーが担うことになるので、そこに上手く対応していかなければなと。ただ、自分がガイルを使って大将で頑張ればなんとかなるだろうと言う気持ちもあるので、あまり難しく考えすぎず、一戦一戦を頑張ろうと思います。

加えて、現状については各メンバーも理解してくれています。あまり事細かに言わなくても、自分で考えて仕上げてきてくれるメンバーなので、前半戦と同様に個々のやり方を尊重した形で良いかなと考えています。

公式取材班による前半戦レビューと後半戦予測

開幕から第3節まで今一つ伸び悩んでいたものの、第4節と第5節で勝利したことで3位に浮上。獲得ポイントで見ればトキドフレイムと並ぶ2位タイとなっている。

飛躍のポイントとなったのは若手選手のカワノ。序盤ではあと一歩惜しいところで勝つことができず燻っていたものの、第4節で水派コーリンとの同キャラ戦を制したことを皮切りに調子を上げてきている。

また、ウメハラ、まちゃぼーといったベテラン組もその飛躍の下支えとなっているほか、もう一人の若手であるナウマンも2戦2勝とチームの期待に対し十分な活躍だ。

他チームに比べて上がり調子な成績となっているほか、後半戦ではウメハラのガイルが使用可能となるため、ここからさらにポイントを伸ばしていく可能性が高い。各チームは後半戦でウメハラゴールドに対し、どのように戦っていくのかが上位抜けへの重要なポイントの一つになるだろう。


4位 フードガイア

順位では4位ながら、ポイントでは上位3チームと大きな差がない状態です。この現状に対してどのように考えていますか?

– ふ~ど
 序盤の調子が良かったのでもっとポイントを伸ばしたかったんですけど、後半の大将戦で負けてしまったことで、落ち着いた形になってしまいました。ただ、チームでの取り組みを見れば大筋で良く出来たのかなと思います。

 ウチは、俺とぷげらが使うポイズンがBANされる機会が多かったのですが、その場合にもR・ミカで勝てていました。BAN対象にされても戦力が落ちないというチームの特色を上手く活かせたからこそ、11ポイントというまずまずの結果に繋がったと思っていますね。

後半戦に向けてはいかがですか?

– ふ~ど
 BAN対象となった試合を取れていたのは良いのですが、その一方で相手のBAN対象にした選手との結果が良くなかったのが、勿体ない部分でした。まあ、そういったものは後悔しても仕方のない部分なので、得失点を意識しつつ、引き続き“複数キャラ使いの集まり”という特色を活かして挑んでいきたいですね。

 後半戦はウメハラゴールドとの戦いがポイントで、ここに勝てれば上位抜け出来るだろうなと考えています。その点で言えば、他チームとは違ってガイルをBAN対象にすることができるので十分に可能性はありますよ。

 他チームに対しても全体的にチーム戦略はうまく行っているので、前半戦では戦略が当たりつつも落としてしまった部分を、後半で回収して追い風にしたいですね。

公式取材班による前半戦レビューと後半戦予測

第2節で2位となって以降、徐々に順位を落としてしまっているが、ポイントで見れば2位タイに位置し続け、第5節終了時点でもわずか数ポイント差という状態のフードガイア。

前半戦ではポイズンにBAN対象が集まったことでぷげらが苦戦したものの、ふ~どやどぐらといったベテランが、それをカバーしたのがポイントだろう。また、そのぷげらもどぐらやふ~どが敗れてしまった第4節では唯一勝利しているなど、メンバー間で上手く補いあっている形だ。

後半戦ではポイズンがフリーになることにより、ぷげらとふ~どの戦力アップが期待できる。その代わりに、どぐらのベガが使えない場面が出てきそうだが、それを前半戦以上の形で他メンバーがカバーすることができれば上位抜けも十分可能だろう。


5位 モモチスプラッシュ

6ポイントで第5位とやや厳しい結果となった前半戦ですが、その結果についてはいかがですか?

– ももち
 順位はもちろんのこと、上位4チームとポイントが開いていることもあって苦しいですね。SFLに参加するにあたって、僕自身がスロースターターであるという部分を懸念していたのですが、それがチーム戦という形でも現れてしまったので、リーグ戦の難しさを改めて痛感しました。

 メンバー選出やオーダーなど、チーム戦略の部分ではかなりうまく行っていたのですが、実戦面で結果が伴いませんでした。後から追いかけるチームはどこかで勢いづけるきっかけが必要になるのですが、その流れを作れず、ひとつの勝利から良い波に乗れなかったのが反省点ですね。

後半に向けた調整や見込みはいかがでしょうか?

– ももち
 個人的にはセスがBAN対象となった際の勝率が悪かったので、セス以外のキャラクターの練度がポイントになると思っています。

 他メンバーでは藤村の活躍がポイントですね。春麗以外にも豪鬼がメインキャラクターレベルで仕上がっているので、僕とは違って本人のエンジンがどこで掛かるのかを気にしています。

 その点では、若手のジョニィが第5節で待望の1勝をあげました。これは本人にとっても嬉しいことですし、これが僕たちにとっても奮起するきっかけになっています。これをきっかけにしてチーム全体の勢いを上げつつ、試合内容も良くなっていけば上位抜けの可能性はまだまだあると思っています。

編集部による前半戦レビューと後半戦予測

第1節、第2節をストレートで敗れてしまったことで出遅れてしまったモモチスプラッシュ。第4節では大きくポイントを伸ばすことに成功したが、続く第5節では再び停滞してしまい今のポジションに。

若手のジョニィを先鋒に据え置き、相手チームのオーダーを見ながら藤村、ももちがポイントを稼ぐ作戦だったが、藤村が予想外に苦戦。ももちが大将で踏ん張ることとなった。

インタビューの通り、後半では藤村が本来の実力でポイントを量産できるかが鍵。そのきっかけ作りを他メンバーが担うことができれば、リーグ全体が面白い展開となるだろう。


6位 マゴスカーレット

前期SFLの優勝から一転、今期の前半戦では6位に甘んじてしまいました。前半戦を振り返ってみていかがですか?

– マゴ
 改めてリーグ戦の怖さを味わっていますよね。当然、自分たちの実力不足が現状の要因として大きいのですが、それ以上に前回のリーグでは上手く作れていた“流れ”が、今回は悪い方向に向いているなと。

 実力勝負のプロの世界において、流れを重視するのはどうなんだと思う方もいるかもしれませんが、僕たちも人間なので、勝てない状態が続いてしまうと思考に余裕がなくなってしまいます。その結果、無茶な行動をとってしまい、深みにハマった形です。

 そうなった時には、なにか流れを変えるきっかけが必要になるのですが、今回はそれとなる試合を作れなかった。その点が上位に差をつけられてしまった一番の要因ですね。

ここから後半戦に向けてはどのような対策で臨んでいきますか?

– マゴ
 オーダーやBAN選択といった部分は機能していたので、勝つべきところを勝つという基本を大事にしていきたいですね。前半戦はそこを落としてしまったことにより、責任を感じています。その分チームの雰囲気を良くするための働きかけはしていましたが、やっぱり“勝利”という結果が無いと苦しいです。まずは、雰囲気づくりのための勝利を目指したいです。

 今後ウチのチームは“4-0”を狙っていかないといけない。ただ、それは相手にとってオーダーが読みやすくなることにも繋がります。現状はそういった不利な状況なのですが、それを跳ね除けるべく、さらなる取り組みを行って本番での勝負勘もモノにすることが大切だと考えています。

 上位抜けの可能性が1%でも残っているうちは、それを目標に全力を尽くし、それでもダメなら各メンバーが今後につながるような形に出来るよう、全ての試合を大事にしていきます。

公式取材班による前半戦レビューと後半戦予測

第4節終了時点までの獲得が1ポイントと大きく出遅れてしまったマゴスカーレット。しかし、第5節では念願のチーム勝利を獲得して後半戦への希望をつないだ。

苦しい状況を支えたのは若手選手のもけ。開幕戦での勝利に加え、第5節では大将で勝利してポイント獲得と雰囲気づくりの両面でチームに貢献した。

後半は引き続きもけが奮戦しつつ、他メンバーも活躍するのが必須課題。ストレート勝利が必要とされる現状はかなり厳しい状態であるが、この苦境をバネにチーム全体が奮起することに期待したい。


後半戦の見どころ

全10節で行われる本節は、グランドファイナルへと進出できる上位3チームに入ることがひとまずの目標となることから、単独首位でやや優位な状況にあるネモオーロラを除いては、未だ熾烈な戦いの渦中といったところだ。

上位抜けに必要なポイントは各チームによって異なる。お互いに情報の探り合いだった前半戦と違い、後半戦ではよりピンポイントな対策が必要となる。

後半は引き続きもけが奮戦しつつ、他メンバーも活躍するのが必須課題。ストレ上位チームはターゲットとなる相手チームを絞り、そこで確実に勝利することにより自チームのポイントを伸ばすと同時に、相手チームにポイントを稼がせない戦略をとるだろう。

一方、下位チームとしてはそういったターゲットから外れやすい点がカギ。上位チームの想定以上の仕上がりで隙をつき、その勝利をチームの勢いに繋げていくことが出来れば、ポイントだけでなく得失点差も絡めた混戦に持ち込めるだろう。

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