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2021.02.25

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 グランドファイナル対戦結果レポート

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 グランドファイナル対戦結果レポート

『ストリートファイターV チャンピオンエディション』のカプコン公式チーム戦“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020”。
その最終戦となるグランドファイナルが2021年1月30日(土)に開催された。
グランドファイナルでは、全10節のリーグ戦を勝ち抜いたトキドフレイム、ウメハラゴールド、ネモオーロラの3チームが国内最強の座を掛けて激突。

本記事ではセミファイナル、グランドファイナルの全ての試合内容のレポートはもちろんのこと、各チームのメンバー起用やキャラクターBANにおける戦略の狙いなどについても考察。

長きにわたって行われたチーム戦の最終局面、そこで各チームが何を思い、どのように戦い抜いたのか。そのすべてを余すことなく今一度一緒に振り返っていこう。

INDEX

[目次]


ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020 グランドファイナルのルール

グランドファイナルの7ポイントルールについて

・1ラウンド99秒、2ラウンド先取制。2試合先取で勝利。
・各MATCHは先鋒・中堅・大将戦を行い、勝利すると先鋒、中堅は1ポイント、大将のみ2ポイントを獲得。
・1巡目のマッチ終了後は作戦会議を経て2巡目を行い、以降はどちらかのチームが『7ポイント』を獲得するまでマッチを繰り返し実施。
・各チームは4人で編成され、各マッチごとに出場する選手を選ぶことができる。
(選出の出場回数には制限なし。セミファイナル、グランドファイナルを通して対戦しない選手がいてもよい)
・セミファイナルではリーグ戦上位通過の“ウメハラゴールド”にアドバンテージとして1ポイントを付与した状態でスタート。
・グランドファイナルではお互いに0ポイントからのスタートとなる。

グランドファイナルのキャラクターBANルールについて

・各マッチでは出場選手3名が発表された後、相手チームが使用するキャラクターを1体指定し、そのMATCH内で使用不可能にすることができる(キャラクターBAN)
・1巡するごとにBANするキャラクターを指定する。
・2巡目以降は同じキャラクターをBANできない。
・1巡目にBANされたキャラクターは、2巡目以降解放。使用することができる。

試合の流れについて

グランドファイナルはオンライン対戦(バトルラウンジ)を使用。

事前準備
・各チームは1巡目のMATCHに参加する3選手を決定。
・相手チームの1巡目出場選手を確認後、相手チームのBANキャラクターを指定。

MATCH開始後(1巡目)
・お互いのBANキャラクター発表後、作戦会議を経て先鋒・中堅・大将を決定。

2巡目以降
・1巡目大将戦後に各チームは2巡目に出場する3選手を作戦会議を経て決定。(1巡目と同様でも可)
・相手チームの2巡目出場選手を確認後、1巡目に指定したBANキャラクター以外をBAN指定。
・以降は1巡目と同様に先鋒戦~大将戦までを実施し、どちらかのチームが7ポイントを達成した時点で勝敗を決定。


グランドファイナルトーナメント 組み合わせ

グランドファイナルトーナメントでは、まずセミファイナルを全10節のリーグ戦を2位で通過したウメハラゴールドと3位通過のネモオーロラによって実施。
ウメハラゴールドにはアドバンテージとして1ポイントを保有した状態からスタートする。

セミファイナルの勝者は、1位通過のトキドフレイムとのグランドファイナルを行い、“ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020”の優勝チームの座を争う。


セミファイナル ウメハラゴールド 対 ネモオーロラ

まずはウメハラゴールドとネモオーロラによるセミファイナル。
リーグ戦においては前半戦では第2節にてポイント2-2で引き分け、後半戦では第7節にて全勝でウメハラゴールドが勝利している。
また、キャラクターの布陣を見渡すと、ウメハラのサブキャラクターにはリーグ戦で使用していた“影ナル者”や“セス”ではなく、“エドモンド・本田”をピックアップ。このグランドファイナルトーナメントに向けた準備と見られ、起用するタイミングや仕上がりの具合に試合前から注目が集まった。

【1巡目】出場選手とBANキャラクター

チーム戦の最初はそれぞれの戦略の見せどころとなる出場選手とBANキャラクターの選択。

1巡目の出場選手は、
ウメハラゴールド:ウメハラ、まちゃぼー、カワノ
ネモオーロラ:ネモ、sako、ガチくん
という布陣に。ナウマンとキチパはそれぞれサポートに回ることとなった。

続くBANキャラクターの発表では
ウメハラゴールド:ネカリ
ネモオーロラ:ラシード
が選択された。

ここでネモオーロラは対ウメハラゴールド戦では初となるガチくんを起用。
BAN選択ではお互いが相手のリーダーのメインを避けて、それに次ぐポイントゲッターのメインを封じる采配を取った。

【1巡目】先鋒戦:カワノ 対 ガチくん

注目となるオーダーの発表では、

先鋒戦 カワノ 対 ガチくん
中堅戦 まちゃぼー 対 ネモ
大将戦 ウメハラ 対 sako

という結果に。

まず皮切りとなる先鋒戦はカワノのコーリンとガチくんのかりんというマッチアップに。
ここでウメハラゴールドは「メイン対サブ」の構図を作れたことにより若干優位に立った形である。

この辺りの采配は相手チームの対策はもちろんのこと、アドバンテージの1ポイントを含めて先鋒戦を勝ち、ポイントを広げることで相手にプレッシャーをかける狙いが見受けられた。

試合はお互いが牽制技からの“ヒット確認”を重視し、緊張感のある立ち回りが続く流れに。
中盤以降にVトリガーII“アブソリュートゼロ”を使った制圧力を狙うカワノ“コーリン”と、硬い守りで相手の戦略に乗らないように立ち回るガチくん“かりん”。

ポイントとなったのは3試合目第2ラウンド。画面端に追い詰めた状態から先にVトリガーII“アブソリュートゼロ“を発動したカワノ“コーリン”に対して、ガチくん“かりん”はあくまで冷静に対処。約50カウントもの長い時間をしっかりと守り続け、被害を最小限に抑えたことでラウンドを取得。

最終ラウンドではカワノ“コーリン”が攻めようとする動きに対し、ガチくん“かりん”は先を制する動きで体力を奪い、最後は当て身技“EXフロストタッチ”を読んでK.O。サブキャラクターながら練度の高い動きを見せたガチくん“かりん”がバトルカウント“2-1”で先鋒戦を制した。

【1巡目】中堅戦:まちゃぼー 対 ネモ

先鋒戦を制したことで、アドバンテージ分を返したネモオーロラ。
続く中堅戦はまちゃぼーの豪鬼とネモのユリアンという対決に。
サブキャラクターながら仕上がりの良さでリーグ戦を牽引したまちゃぼーに対し、先鋒戦の流れを受けたネモがどういった戦いぶりを見せるかがポイントとなった。

試合は序盤からネモ“ユリアン”が先手を取り、持ち味であるハイスピードな展開でまちゃぼー“豪鬼”を圧倒。牽制技や置き技、差し込みなどを的確に選択して最大の武器であるVトリガーI“エイジスリフレクター”に依存しない形でリードを取ることに成功する。

まちゃぼー“豪鬼”は苦戦を強いられながらも、2試合目第2ラウンドでネモ“ユリアン”の飛び道具“メタリックスフィア”に対してクリティカルアーツ“赤鴉空裂破”(せきあくうれつは)を決める好プレーでペースの奪還を狙う。

しかし続くラウンドでネモ“ユリアン”はまちゃぼー“豪鬼”の攻めに対し、無敵技“EXデンジャラスヘッドバットで割り込みペースを死守。終盤には本命である“エイジスリフレクター”からの崩しを決めることに成功しそのままフィニッシュ。先鋒戦の勝利の勢いをそのまま受け継いだネモ“ユリアン”がバトルカウント“2-0”で勝利した。

【1巡目】大将戦:ウメハラ 対 sako

2連勝したことでネモオーロラ1ポイントリードで迎えた大将戦を任されたのはウメハラのガイルとsakoのメナトの二人。

このマッチアップは第7節の中堅戦でも行われており、その時はウメハラのガイルに軍配が上がっている。

大将戦は2ポイントが獲得できるため、ここで勝ったチームが1巡目をリードで終えることができる。この重要な局面で両者が前回の試合を経てどのような準備をしてきたのかに注目が集まった。

長いリーチと、飛び道具を跳ね返したり吸収できる“ソウルリフレクト”を活用し、相手の動きを誘導してダメージを重ねていくsako“メナト”に対し、ウメハラ“ガイル”はポイントを絞った技選択で対抗。

序盤こそsako“メナト”が試合の流れをつかむものの、ウメハラ“ガイル”が徐々に相手の動きに対応しプレッシャーを強めていく。勝負所では“ソニックブレイク“や“サマーソルトキック”が功を奏し、まず1試合目をウメハラ“ガイル”が先取する。

勝敗のポイントとなったのは2試合目第3ラウンド。攻勢を強めるウメハラ“ガイル”に対し、sako“メナト”はあくまで冷静な立ち回りで体力をリードすると、ラウンド終盤にウメハラ“ガイル”が“ソニックブレイド”を放ったところにsako“メナト”は鋭い読みによる前ジャンプを選択。そのまま“ソウルスパーク”を絡めたコンボを決めて試合を取り返す。

sako“メナト”は3試合目にも“ソニックブーム”を狙った前ジャンプを決め、これまでの動きを布石とするような立ち回りに変化。ウメハラ“ガイル”もそれに再び対応し、一進一退の攻防が繰り広げられるが、最後はsako“メナト”がVトリガーI“ジェフティの知恵”による攻めを通し、バトルカウント「2-1」で勝利した。

【1巡目終了時点結果】

1巡目

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 カワノ
(コーリン)
1-2 ガチくん
(かりん)
中堅戦 まちゃぼー
(豪鬼)
0-2 ネモ
(ユリアン)
大将戦 ウメハラ
(ガイル)
1-2 sako
(メナト)
獲得ポイント 1   4

1巡目は第7節の鬱憤を晴らすかのようにネモオーロラが全勝。4ポイントを獲得し、2巡目で勝利する可能性が生み出した。
一方のウメハラゴールドは動きにやや硬さがみられるか、シーズン中ほどの調子が見られず苦戦。アドバンテージにより若干助けられている部分はあるものの、次の2巡目でペースを握らないと苦しい状態となった。


【2巡目】出場選手とBANキャラクター

2巡目の各チームの出場選手は、
ウメハラゴールド:ウメハラ、まちゃぼー、カワノ
ネモオーロラ:ネモ、sako、ガチくん
と1巡目と同じメンバーに。

続くBAN選択では、
ウメハラゴールド:コーリン
ネモオーロラ:メナト
が選択された。

ネモオーロラは1巡目を全勝で終えたものの、ここでもガイルの選択を温存。これは3巡目を視野に入れた戦略とみられる。
対するウメハラゴールドは先の戦いでの仕上がりを見たためか、メナトを封じることで逆転を狙う形をとった。

【2巡目】先鋒戦:カワノ 対 sako

2巡目のオーダーは

先鋒戦:カワノ 対 sako
中堅戦:まちゃぼー 対 ネモ
大将戦:ウメハラ 対 ガチくん

という組み合わせ。先鋒戦にお互いにメインがBAN対象となった選手が対峙するのが1巡目と違うポイントだ。

ここでカワノはリーグ戦中でも起用していたポイズンを起用。対するsakoは複数の選択肢があるものの、ここではセスを選択した。

二人は第2節にも対決しており、その時はコーリン対セスという組み合わせ。その時はsakoのセスが勝利しており、カワノとしてはキャラクターが変わりながらもリベンジしたい1戦となった。

試合展開は間合いを詰めて近距離の崩しを狙いたいsako“セス”と追い払いつつ体力を奪うカワノ“ポイズン”という形に。

お互いがVトリガーを活用した際の火力が高いため、どこでそれを発揮するかが勝敗のポイント。1試合目ではまずそれぞれが良い形でラウンドを取り合う好勝負となったが、第3ラウンドではsako“セス”が果敢な接近から崩しを立て続けに成功。あっという間にスタンさせ試合を先取した。

バトルポイントで優位に立ったsako“セス”は続く2試合目でもスピードを重視した多彩な動きでカワノ“ポイズン”の懐に入ることに成功。

カワノ“ポイズン”は次々と迫りくるプレッシャーに苦戦を強いられながらも、2試合目第1ラウンドではクリティカルアーツ“ラブハリケーン”決めて反転攻勢に。

しかしsako“セス”はラウンドを取られながらもペースを緩めず、カワノ“ポイズン”の置き技に対してVリバーサルを使うことで攻勢を維持。最後はカワノ“ポイズン”の技の空振りにしっかりと反撃を決めて再度のスタン。コンボをしっかりと決め切ったsako“セス”がバトルカウント“2-0”で快勝した。

【2巡目】中堅戦:まちゃぼー 対 ネモ

1巡目から連勝を重ねたことで、完全に勢いに乗ったネモオーロラ。
続く中堅戦は1巡目に続き再度まちゃぼーの豪鬼とネモのユリアンという対決に。

まちゃぼーとしてはこの時点でネカリという選択肢があったものの、ここでは豪鬼を選択。キャラクター変更による変化よりも、事前の準備を重視したのだろうか。

1巡目をやや一方的な形で勝利したネモのユリアンに対し、敢えて豪鬼を選択したまちゃぼーがウメハラゴールドの窮地を救えるかどうかに期待が掛かる試合となった。

先の試合を受けて、今度は序盤からお互いが積極的に主導権を握ろうとする展開に。
その攻めの姿勢によりまちゃぼー“豪鬼”は第2ラウンドでペースを握りかけるが、早い展開の中で相手の意識を冷静に読み取るネモ“ユリアン”は上手く対応する。

ネモ“ユリアン”は僅かな体力となりながらも無敵技“EXデンジャラスヘッドバットで割り込むことに成功すると、追撃のVトリガーI“エイジスリフレクター”から位置を入れ替えつつ起き攻めを仕掛ける。

投げと打撃の二択、表と裏の二択と立て続けに読み合いを制したネモ“ユリアン”は、実に7割もの体力差を逆転。ここでは勝負所での読み合いの強さを見せつけ1試合目を先取した。

1試合目を落としたものの、徐々に自分の動きを取り戻すまちゃぼー“豪鬼”。2試合目第1ラウンドではこれまで苦しめられてきた“EXチャリオットタックル”に上手く対応しラウンドを奪取する。

しかしネモ“ユリアン”は1試合目と同様に要所での読みで勝負を仕掛け、リターンの高い選択肢でまちゃぼー“豪鬼”を追い立てていく。

第3ラウンドでは体力イーブンの状態でお互いのVトリガーが交錯するやや難しい展開の中、バトルカウントで優位に立つネモ“ユリアン”が相手の迷いにつけ込み、前ダッシュからの投げで体力をリード。最後は“EX百鬼襲(ひゃっきしゅう)”に対し、的確な“EXデンジャラスヘッドバットで迎撃してKO。ネモ“ユリアン”がバトルカウント“2-0”で再度まちゃぼー“豪鬼”を撃破することに成功した。

【2巡目】大将戦:ウメハラ 対 ガチくん

怒涛の5連勝により先にチームの勝利へリーチをかけたのはネモオーロラ。
大方の予想を覆す展開で迎えた2巡目の大将戦はウメハラのガイルとガチくんのラシードが激突することとなった。

最早後がないウメハラゴールドだが、ここで頼れるリーダーであるウメハラがどのような戦いぶりを見せるかに注目が集まった。

ウメハラ“ガイル”もガチくん”ラシード”も守りを得意とするが、この試合では相手のリズムを崩すためにお互いが攻めと守りを目まぐるしく切り替える展開に。

ガチくん“ラシード”は地上戦を仕掛けながらも、時折空中からの多彩な動きで仕掛けウメハラ“ガイル”の動揺を誘う。対するウメハラ“ガイル”はスペースを作って飛び道具“ソニックブーム”を撃つそぶりを見せながら、接近しようとするところに置き技を使ったり、“アサルト・ネイル”で“ソニックブーム”を弾抜けしようとするところに逆に接近したりと前後の動きで的を絞らせない動きを見せた。

ハイレベルな展開が続く中、勝敗のポイントとなったのはお互いの無敵技を絡めた読み合いだ。

ウメハラ“ガイル”は1試合目を先取するものの、2試合目第3ラウンドではプレッシャーをかけ続けるガチくん“ラシード”に対し、無敵技“EXサマーソルトキック”を打たされてしまう。これをガチくん“ラシード”は読み切ってガードから反撃を決めると、その直後に訪れたウメハラ“ガイル”の攻めに対し逆に無敵技“EXスピニング・ミキサー”をヒットさせることに成功した。

これで試合をイーブンに戻したガチくん“ラシード”は3試合目第2ラウンドでも再度リードを奪った状態から“EXサマーソルトキック”をガード。これらの読み合いを制したことでガチくん“ラシード”は試合のペースをつかむと、持ち味の守りの中で相手の攻めようとする動きを的確な置き技で対処。3ラウンド目終盤では大きなリードを奪ったところでも勝ちを急がず、ウメハラ“ガイル”のVトリガーI“ソリッドパンチャー”を冷静に捌く。そして生まれたチャンスを活かし、最後はクリティカルアーツ“アルタイル”を決めてフィニッシュ。一貫した高い集中力で相手を圧倒したガチくん“ラシード”がバトルカウント“2-1”で制し、ネモオーロラに勝利をもたらした。

【2巡目終了時点結果】

2巡目

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 カワノ
(ポイズン)
0-2 sako
(セス)
中堅戦 まちゃぼー
(豪鬼)
0-2 ネモ
(ユリアン)
大将戦 ウメハラ
(ガイル)
1-2 ガチくん
(ラシード)
獲得ポイント 1   8

終わってみれば、なんとネモオーロラが全勝となる6連勝でウメハラゴールドを撃破。
1巡目で生み出した勢いをそのままに、各選手がポテンシャルの高さを活かした戦いぶりを見せた。

また、選手起用やBAN選択、オーダーといったチーム戦略でも終始五分以上の展開を見せたことから、ネモオーロラはこのウメハラゴールド戦に十分すぎるほどの準備をしてきたのが伺えた。


グランドファイナル トキドフレイム 対 ネモオーロラ

いよいよ国内最強チームを決めるグランドファイナルを迎えたのは、トキドフレイムとネモオーロラの2チーム。

この2チームはリーグ戦の第5節と第8節で対決しており、第5節はポイント2-2で引き分け、第8節はポイント4-0でトキドフレイムが勝利を収めている。

キャラクターのラインナップも一見変わりがないことから、ネモオーロラがセミファイナル全勝による勢いの波に再び乗れるのか、それともトキドフレイムがこれまでと同様に圧巻の戦闘力で抑えるのかがポイントとなった。

【1巡目】出場選手とBAN対象キャラクター

グランドファイナルはセミファイナルと違い、アドバンテージはなくイーブンの状態からスタート。

注目の1巡目に出場する選手は
トキドフレイム:ときど、板橋ザンギエフ、りゅうせい
ネモオーロラ:sako、ガチくん、キチパ
といったラインナップ。トキドフレイム、ネモオーロラともに第8節と同様の布陣となった。

続くBAN対象キャラクターの選択では、
トキドフレイム:ユリアン
ネモオーロラ:ラシード
が封じられることに。

トキドフレイムとしてはリーダー・ネモがサポートに回ったことで、メインのポテンシャルが抜群に高いガチくんにフォーカス。
対するネモオーロラは豪鬼、ユリアン、アビゲイルが候補となる中、ここではまずときど、りゅうせいが共に起用するユリアンを選択することで続くオーダーと絡めた戦略を取る狙いのようであった。

【1巡目】先鋒戦:板橋ザンギエフ 対 キチパ

各チームのオーダーの結果、1巡目の組み合わせは、

先鋒戦:板橋ザンギエフ 対 キチパ
中堅戦:りゅうせい 対 ガチくん
大将戦:ときど 対 sako

となった。

まず最初の試合は板橋ザンギエフとキチパによるアビゲイル同キャラ戦から。
両名とも国内有数のザンギエフ&アビゲイル使いであるが、ここではザンギエフがアビゲイルに対してやや相性の悪い組み合わせのため、どちらも安定の判断となるアビゲイルを起用した。

ミラーマッチということもあってか、試合展開はお互いがしゃがみ中パンチを軸にリスクケアをしながら少しずつリードを狙うジリジリとした内容に。

同じキャラクター同士ながら両者の戦い方には違いがみられ、板橋ザンギエフは絶妙な地上戦でラインを上げながら体力を奪うのに対し、キチパは相手の動きのリズムを読んだリターン重視の行動を要所で見せることでプレッシャーを与えつつ、一気にリードを奪う形となった。

試合は序盤こそ板橋ザンギエフが優勢となるものの、キチパは臆することなく読み合いを仕掛け、それが功を奏しペースを握っていく。

キチパは1試合目を先取すると、そのバトルカウントの優位を活かしたさらに積極的な動きにシフト。シビアな地上戦に付き合いながらも常に読み合いのポイントを探り、コマンド投げ“アビゲイルスマッシュ”や攻撃を受け流す“ハンガビー”、さらにはクリティカルアーツ“アビゲイラー”を上手く決めて試合を優位に進めていく。

一方の板橋ザンギエフも苦戦を強いられながらも、持ち味の我慢強さを発揮。2試合目第2ラウンドでは時間目いっぱい使った逆転に成功するものの、第3ラウンドでは再びキチパの果敢な読み合いの前に後手に。最後は板橋ザンギエフが“EXナイトロチャージ”から読み合いを仕掛けたものの、素早い判断を見せたキチパが割り込む形で“EXベイエリアサンライズ”を決めてフィニッシュ。バトルカウント“2-0”とセミファイナルから続く勢いを感じさせる内容でキチパがアビゲイル同キャラ戦を制した。

【1巡目】中堅戦:りゅうせい 対 ガチくん

ネモオーロラ先行で始まった1巡目。続く中堅戦はりゅうせいのセスとガチくんのかりんというサブキャラクター同士の対決に。

りゅうせいがこれまでと変わらずセスを起用する一方、ガチくんは第4節のフードガイア戦にてどぐらのセスを相手にサガットで勝利したことから、ここでもサガットかと思いきやかりんを選択。

りゅうせいがこの采配に対して準備ができているかどうか、ガチくんはセスを相手にかりんでどのような対策をしているのかがポイントになった。

試合はお互いが地上戦をメインにやや攻め合う形となる中、空中からの選択肢も持つりゅうせい“セス”がやや動きやすい流れに。

一方のガチくん“かりん”は、りゅうせい“セス”の攻めに対してVリバーサルを積極的に使い、リカバリアブルゲージを作ることで、セスの弱点である体力の低さを突く戦法を取った。

お互いに良い動きが見られ、一進一退となる試合展開の中、ここでもガチくんの攻めと守りのバランスの良さが光る。

ガチくん“かりん”はりゅうせい“セス”の地上や空中からの攻めに対して、“明王拳(みょうおうけん)”やしゃがみ強パンチで対応。ラウンド序盤に体力を先行すると、無理をしない動きでりゅうせい“セス”の動きを誘導。3試合目第1ラウンドではこれまで効果的だった、りゅうせい“セス”の“しゃがみ強パンチ⇒Vトリガー発動”の動きを読んだバックステップで空振りを誘いつつ、差し返しを決めてペースを握った。

一方のりゅうせい“セス”は所々の読み負けやミスを引きずることなく、一貫した攻めの姿勢とセスのポテンシャルを活かした戦法でプレッシャーをかけていく。しかしそのプレッシャーもガチくん“かりん”の強固なペースを崩すには至らず、あと一歩が届かない。
試合全体を通して高い集中力を保ったガチくん“かりん”は終盤でもヒット確認や対空を確実に決め、最後は幾度目かのしゃがみ強パンチによる対空から、打撃を匂わせた上での通常投げを決めてKO。お互いのプレイスタイルが光る戦いがみられた中、バトルカウント“2-1”でガチくん“かりん”が勝利した。

【1巡目】大将戦:ときど 対 sako

セミファイナルからここまで破竹の8連勝となったネモオーロラ。
果たしてどこまで勝ち続けるのかが期待されるところで迎えるのは、ときどの豪鬼とsakoのメナトの大将戦。

この二人は第5節にてマッチアップしているものの、その時はユリアン対セスとどちらも違うキャラクターを使用。

グランドファイナルトーナメントに向けてメナトを仕上げてきたsakoが、ときどの豪鬼に対してどのような策を用いるのかに注目が集まった。

試合はsako“メナト”がソウルスフィアを使ったヒット&アウェイの立ち回りをする中、ときど“豪鬼”が一度の接近から一気に体力を奪いに行くという流れ。

序盤はsako“メナト”が相手の動きを知り尽くしているかのような動きでときど“豪鬼”を圧倒。ときど“豪鬼”の攻めを上手くいなしつつ、場面に応じた最適な判断でダメージレースを先行していく。

sako“メナト”は1試合目を危なげなく取ると、続く2試合目もペースを維持し試合を優勢に進めていく。

そのペースが一気に変わった分岐点が2試合目第2ラウンド。ときど“豪鬼”はこれまでと同様に攻めが裏目に出る形で体力を奪われてしまうものの、地道な立ち回りが功を奏しラインを上げた状態からVトリガーI“怒髪衝天”(どはつしょうてん)の発動を絡めたコンボを決めることに成功。続く展開では一瞬のスキを突いた“前ダッシュ⇒瞬獄殺”が炸裂。大きな体力差を覆すとともに、反撃ののろしを上げた。

このシーンを皮切りに、ときど“豪鬼”は息を吹き返しペースを奪取。これまでとは違い前ジャンプからの攻めが通り、ラウンド序盤からダメージレースを先行していく。試合はそのままときど“豪鬼”のペースで進むと、最後はsako“メナト”を画面端に追い詰めたまま反撃を許さずにスタンさせ、続くコンボをしっかり決め切ってフィニッシュ。一度は窮地に陥ったものの、持ち前の胆力と勝負強さでそれを覆したときど“豪鬼”がバトルカウント“2-1”で勝利した。

【1巡目終了時点結果】

1巡目

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 板橋ザンギエフ
(アビゲイル)
0-2 キチパ
(アビゲイル)
中堅戦 りゅうせい
(セス)
1-2 ガチくん
(かりん)
大将戦 ときど
(豪鬼)
2-1 sako
(メナト)
獲得ポイント 2   2

先鋒戦、中堅戦をネモオーロラが快勝するものの、大将戦をときどが抑えたことでポイントはイーブンに。ネモオーロラはセミファイナルから続く勢いが途絶えてしまう形となった。


【2巡目】出場選手とBAN対象キャラクター

1巡目をイーブンで終えたグランドファイナル。2巡目の出場選手は

トキドフレイム:ときど、板橋ザンギエフ、りゅうせい
ネモオーロラ:ネモ、sako、ガチくん
といったラインナップに。ここでネモオーロラはキチパをサポートに回し、リーダー自身が出場する形となった。

続くBAN選択では
トキドフレイム:アビゲイル
ネモオーロラ:メナト
が対象となった。

トキドフレイムとしては大将戦で勝利したものの、sakoのメナトを脅威と判断。対するネモオーロラは3巡目を見据えたか、ここではアビゲイルを選択しときどの豪鬼を3巡目に封じる構えを取った。

【2巡目】先鋒戦:ときど 対 ネモ

正念場となりそうな2巡目は、

先鋒戦:ときど 対 ネモ
中堅戦:板橋ザンギエフ 対 sako
大将戦:りゅうせい 対 ガチくん

という組み合わせに。

先鋒戦はなんとときどの豪鬼とネモのユリアンというリーダー同士かつメインキャラクターの対決に。互いにここからの対決は1ポイントの先行が大きくなると判断したのだろうか。

1巡目の勝利から続いての出陣となるときどと、セミファイナルで2回とも豪鬼を倒したネモ。果たしてこの時点でどちらの勢いが勝っているのか、グランドファイナルにおける緊張感の高まりを感じる一戦となった。

この日3度目となる豪鬼とユリアンの対決。この試合ではときど“豪鬼”が早い段階から積極的な接近を仕掛け、ネモ“ユリアン”の弾打ちのペースを作らせないよう矢継ぎ早に攻め立てていく。

ネモ“ユリアン”も肉弾戦に応じるものの、地上と空中から様々な手段で仕掛けてくる相手にやや後手に回ってしまう。

やはり先の大将戦で火が付いたのか、試合は序盤からときど“豪鬼”のペースに。ネモ“ユリアン”も無敵技“EXデンジャラスヘッドバット”で切り返しを狙うものの、冷静さも併せ持つときど“豪鬼”はこれをガードし、勝利までリーチをかける。

しかしこの劣勢にもネモ“ユリアン”は臆さず、2試合目第2ラウンド終盤には“クォーラルパンチ”をガードさせた不利な状態から、相手の反撃を読んでの“EXデンジャラスヘッドバットを炸裂。これにはときど“豪鬼”も意表を突かれてしまい、続く展開で無敵技“EX豪昇龍拳”を打つものの、今度は逆にガードされてしまい勢いが失速してしまう。

勝負所での読み合いを制したネモ“ユリアン”は依然厳しい状態ながら、ギリギリのところでも集中力を保ち、ときど“豪鬼”が勝ちを決めに来る“百鬼襲”に対して連続で対処。これでややペースを取り戻すと、3試合目第3ラウンドでは今までと一変、ネモ“ユリアン”が先に攻め立てる流れに。これにはときど“豪鬼”も再度の立て直しは間に合わず、最後は体力僅かとなった相手に対し、ネモ“ユリアン”は冷静な立ち回りから牽制技の立ち弱パンチをヒットさせてフィニッシュ。バトルカウント“2-1”で勝利し、ネモオーロラに再度勢いを生み出した。

【2巡目】中堅戦:板橋ザンギエフ 対 sako

再びネモオーロラがリードとなった中堅戦。ここでは板橋ザンギエフのザンギエフとsakoのセスのサブキャラクター同士が対峙した。

1巡目では敗北を喫してしまった者同士、ここで勝利をつかむことがチームに大きな影響を与えそうな1戦となった。

低体力のセスと高体力のザンギエフという両極端なキャラクターの試合は、一度の読み合いが大きな影響を与える、一瞬たりとも気を緩めることができない展開に。

sako“セス”は極力被弾をしないように立ち中キックやしゃがみ中キックを軸に立ち回る。一方、板橋“ザンギエフ”はVスキルI“アイアンマッスル”を使うことでこれに対処。しかしこの“アイアンマッスル”も使いどころを誤れば、sako“セス”のVスキルI“丹田エンジン”で吸い込まれてしまうため難しい展開となった。

最初に大きな動きとなったのは1試合目第3ラウンド。やや体力リードをされてしまった板橋“ザンギエフ”は逆転の一手として前ステップからクリティカルアーツ“ボリショイ・ロシアン・スープレックス”で奇襲。しかしこれは僅かに間合い外となってしまい、そこに反撃を決めたsako“セス”が先取する。

その後お互いの読みが交錯し続けた結果、試合は縺れて3試合目第3ラウンドへ。このラウンドでも体力を先行したのはsako“セス”だったが、板橋“ザンギエフ”は終盤に再度前ステップから“ボリショイ・ロシアン・スープレックス”を放つ。これが今度は見事に炸裂し体力を逆転すると、そこからは堅い守りに入りリードを維持。最後はsako“セス”がクリティカルアーツ“丹田ディストーション”を決めるものの、途中でタイムオーバーに。結果、我慢強さと読みの鋭さの両方を発揮した板橋“ザンギエフ”がバトルカウント“2-1”で勝利した。

【2巡目】大将戦:りゅうせい 対 ガチくん

先鋒戦で取られたリードをすぐさまイーブンに戻したトキドフレイム。その結果りゅうせいのユリアンとガチくんのラシードの大将戦は勝った方が2ポイントのリードと、大きな意味を持つ1戦に。

1巡目ではサブキャラクター同士で戦い、僅かな差でガチくんが勝利したこの組み合わせ。
今度はメインキャラクター同士で、この重要な試合をどのように勝ち抜くのかに注目が集まった。

お互いが飛び道具を持ち、通常技のリーチもやや長いことから、試合は中距離で腰を据えた展開に。

その中でもチャンスと見れば果敢に投げを仕掛けるりゅうせい“ユリアン”と、相手の割り込みをケアしつつ、あくまで立ち回りでの読み合いを重視し、立ち強パンチを上手く活用するガチくんとスタイルの違いが浮き彫りとなった。

試合序盤は落ち着いた展開の中、りゅうせい“ユリアン”の強気な選択が功を奏し試合を先取するものの、2試合目からは立ち回りを優位に進めるガチくん“ラシード”のペースに。

りゅうせい“ユリアン”も“EXチャリオットタックル”や“EXバイオレンスニードロップ”を使い、立ち回りでのダメージを狙うものの、緩急をつけながら要所での対応をしっかりと見せるガチくん“ラシード”には効果的な一手に欠けてしまう。

終盤にガチくん“ラシード”はバトルカウントの優位を使った“空中イーグル・スパイク”による仕掛けを見せるなど、試合巧者ぶりを発揮して試合を主導。最後はりゅうせい“ユリアン”を画面端に追い詰めダメージを積み重ねると、無敵技“EXデンジャラスヘッドバット”の割り込みを許さず、ガードからの反撃でKO。これまでの試合と同様、素晴らしい内容によりバトルカウント“2-1”で勝利した。

【2巡目終了時点結果】

2巡目

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 ときど
(豪鬼)
1-2 ネモ
(ユリアン)
中堅戦 板橋ザンギエフ
(ザンギエフ)
2-1 sako
(セス)
大将戦 りゅうせい
(ユリアン)
1-2 ガチくん
(ラシード)
獲得ポイント 3   5

各試合が激戦となったものの、大将戦を制したネモオーロラがこの時点で2ポイントリード。やや苦しいトキドフレイムがどのような戦略で3巡目を迎えるかがポイントとなった。


【3巡目】出場選手とBAN対象キャラクター

ネモオーロラ優勢で迎えた3巡目の出場選手は、

トキドフレイム:ときど、板橋ザンギエフ、りゅうせい

ネモオーロラ:ネモ、sako、ガチくん

と両チームとも2巡目と同じラインナップに。

続くBAN対象の選択では、

トキドフレイム:豪鬼

ネモオーロラ:ギル

が封じられた。

ネモオーロラとしてはここで豪鬼を選択するのは妥当な判断である一方、トキドフレイムはここでネモのメインであるユリアンではなくギルを選択。第5節ではネモのギルがりゅうせいのユリアンにストレート勝利を収めているため、ユリアンの起用を余儀なくされるときど、りゅうせいにとってはギルのほうが脅威だと考えたようだ。

【3巡目】先鋒戦:板橋ザンギエフ 対 ガチくん

終盤戦となる3巡目のオーダーは

先鋒戦:板橋ザンギエフ 対 ガチくん
中堅戦:りゅうせい 対 ネモ
大将戦:ときど 対 sako

という組み合わせ。トキドフレイムは豪鬼をBAN対象とされながらも、ここではリーダーのときどを大将に置く采配を取った。

まず先鋒戦は板橋ザンギエフのアビゲイルとガチくんのラシードの対決。両者は第5節、第8節にも対決しており、どちらも板橋ザンギエフが勝利している。特に第8節では今回と同様のアビゲイルとラシードの組み合わせでストレート勝利していることから、トキドフレイムとしては上手くオーダーを噛み合わせた形となった。

試合の流れはこれまで通りに我慢強さと読みの鋭さを武器に、受けに回る板橋ザンギエフ“アビゲイル”に対し、ガチくん“ラシード”は空中からの多彩な攻めをポイントに、画面端へ追い詰める形を狙っていく。

ガチくん“ラシード”としてはこれまで同様に守りを主体とした立ち回りをしたいものの、この組み合わせではリーチの差が響き、やや攻めざるを得ない展開となった。

試合展開はどちらにも大きくペースが傾くことのないシーソーゲームとなるものの、最後は勝負所での鋭い対応力と読みがポイントに。

板橋ザンギエフ“アビゲイル”は立ち回りで体力を先行されることが多いものの、画面端に追い詰められても動じず、ガチくん“ラシード”の飛び道具“EXワールウインド・ショット”に対して素早い判断による割り込みでピンチを脱出。さらには空中からの攻めに対して当て身技“ハンガビー”を使い、逆にチャンスを獲得することでガチくん“ラシード”の焦りを誘っていく。

フルセットとなった3試合目第3ラウンドも先に体力を先行されるものの、再び“ハンガビー”で反撃。そこからVトリガーII“ハイブリッドチャージ”を発動しつつ体力を逆転すると、そこからはガチくん“ラシード”の反撃の一手を警戒。これにはガチくん“ラシード”も攻めあぐねてしまい、最後はガチくん“ラシード”の飛び込みを上手く潜り抜けた板橋ザンギエフ“アビゲイル”が通常投げを決めて決着。苦しい時間が続いたものの、自信のある動きを崩さなかった板橋ザンギエフ“アビゲイル”がバトルカウント“2-1”で勝利した。

【3巡目】中堅戦:りゅうせい 対 ネモ

先鋒戦を制したことで、ポイント差を1ポイントに縮めたトキドフレイム。

続いての中堅戦はりゅうせいとネモによるユリアン同キャラ戦に。

第5節ではネモのギルに敗れてしまったりゅうせいとしては、このミラーマッチでは自分とチームの両方のためにもリベンジしたい戦いとなった。

ユリアン同士の戦いということで、戦いの重要な軸となるのはVトリガーI“エイジスリフレクター”。これをどこで使うか、どのようにVゲージを貯めるか、どうやって捌くのかがポイントとなった。

両者のスタイルの違いとしては、ネモが飛び道具“メタリックスフィア”を積極的に活用し、自分のペースを生み出そうとするのに対し、りゅうせいはそれに合わせながらも肉弾戦によるチャンスメイクを狙う動きに。

まず最初にペースを握ったのはりゅうせい。1試合目第1ラウンドでは“インディグナントサンダー”を使ってVゲージを溜めることで、先にVトリガーI“エイジスリフレクター”を発動。

ユリアンらしい理想的な形でラウンドを先取すると、続く第2ラウンドではVゲージの溜め合いになる中で“EXバイオレンスニードロップ”をヒット。そこから一気に投げと打撃による攻めでスタンを奪い、ネモが態勢を整う前に試合を決めることに成功する。

これでペースを握ったりゅうせいは2試合目も開幕から“メタリックスフィア”に対して前ジャンプを合わせる動きで体力を先行。そのままネモをスタンさせマッチポイントとすると、続く第2ラウンドでも同様に積極的な攻めを展開。これに対しネモはたまらず無敵技“EXデンジャラスヘッドバットを撃つも、これを見越したりゅうせいは垂直ジャンプで回避。そのままコンボを決めて3度目となるスタンをさせると、そのままコンボをしっかりと決めてKO。ネモのお株を奪うような暴力的な攻めを展開したりゅうせい“ユリアン”がバトルカウント「2-0」で勝利した。

【3巡目】大将戦:ときど 対 sako

トキドフレイムが2連勝したことでポイントは再びイーブンに。さらにこの時点でどちらも5ポイントとなったため、ときどのユリアンとsakoのメナトによる大将戦が優勝決定戦となった。

1巡目ではときどが豪鬼を使い勝利したこの組み合わせ。再びときどがsakoを打ち破るのか、それともsakoがリベンジを果たすのか。
長期間に渡る“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020”の最後の試合に大きな注目が集まった。

試合展開はときど“ユリアン”が1巡目と同様に、強引な攻めでsako“メナト”に自由な立ち回りをさせない形を狙い、それに対しsako“メナト”は終始対応を迫られながらも、持ち前の高い判断力やVトリガーI“ジェフティの知恵”による柔軟な立ち回りでそれを凌いでいく構図に。

序盤から激しく必殺技が交錯し合う戦いは、一進一退の攻防となり少しでも気を緩めれば一気に形成が傾いてしまうような流れが続く。

試合序盤はときど“ユリアン”が、意外ともいえるほど大胆な攻めを見せたことでやや主導権を握るものの、sako“メナト”は一つ一つ丁寧に対応することで、徐々に受けの態勢を築きペースを取り返していく。

両者の意地がぶつかり合う戦いはフルセットフルラウンドまで縺れ込み、最終ラウンドではときど“ユリアン”が先にVトリガーI“エイジスリフレクター”を発動。これをsako“メナト”は体力を削られながらも捌き切り、逆に“ジェフティの知恵”を発動。これによりここまで猛攻を仕掛けてきたときど“ユリアン”に守りを強要すると、最後は中段技“罪人を喰らう顎”をヒットさせそのままコンボを決めてフィニッシュ。

壮絶な内容の戦いの中で集中力を切らさず、常に最善の対応をし続けたsako“メナト”がバトルカウント“2-1”で勝利した。

【3巡目終了時点結果】

3巡目

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 板橋ザンギエフ
(アビゲイル)
2-1 ガチくん
(ラシード)
中堅戦 りゅうせい
(ユリアン)
2-0 ネモ
(ユリアン)
大将戦 ときど
(ユリアン)
1-2 sako
(メナト)
獲得ポイント 5   7

3巡目ではトキドフレイムが劣勢の状態から先鋒戦、中堅戦を制したものの、最後はsakoが大将として奮闘。これによりネモオーロラは見事7ポイントを獲得し、見事グランドファイナルで勝利を収めた。

ネモオーロラはこのグランドファイナルトーナメントを通じて、個々のポテンシャルの高さはもちろんのこと、メンバー全員が各所で活躍し、さらにはリーダー・ネモを中心としたチーム戦略も機能。まさに総合力の高さを発揮したことで、長きにわたって行われた“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020”の総合優勝チームに輝いた。


■最終順位・チーム賞金額

1位 ネモオーロラ(ネモ、sako、ガチくん、キチパ) 700万円

2位 トキドフレイム(ときど、板ザン、りゅうせい、ストーム久保)250万円

3位 ウメハラゴールド(ウメハラ、まちゃぼー、カワノ、ナウマン) 40万円

4位 フードガイア(ふ~ど、どぐら、ぷげら、Shuto)30万円

5位 マゴスカーレット(マゴ、もけ、水派、MOV)20万円

6位 モモチスプラッシュ(ももち、藤村、ハイタニ、ジョニィ)10万円

■ストリートファイターリーグ: Pro-JPの新たなるシーズンも開催決定!

これ以上ない数々の熱戦を見せてくれた“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020”だったが、その興奮も冷めやらぬ間に次回2021年シーズンの開催決定が発表された。つぎはどのようなチームが組まれるのか? どのような名勝負が待っているのか? まずは、続報に注目したい。

今後の詳細情報はストリートファイターリーグ公式ページやCAPCOM eSports公式SNSアカウント「CAPCOM eSports」でお知らせしていくのでご期待ください。

【ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 公式サイト】
https://sf.esports.capcom.com/

■CAPCOM eSports公式Twitter
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