2020月09月26日

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 第1節対戦結果レポート

ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020 第1節対戦結果レポート

満を持して開催を迎えたストリートファイターV チャンピオンエディションのカプコン公式チームリーグ戦“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020”。その開幕戦となる第1節は2020年9月25日(金)23時よりカプコン公式チャンネルに加え“TGS2020 ONLINE”内“e-Sports X”においても完全中継された。

本記事では第1節の各マッチにおける試合内容のレポートはもちろんのこと、各チームのメンバー起用やキャラクターBANにおける戦略の狙いなどについても考察。ここから10節と長い戦いとなるリーグ戦において、各選手がどのような思いで初戦に臨んだのか振り返っていこう。

INDEX

ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020のルール
SECTION1 第1節組み合わせ

【MATCH1】マゴスカーレットvs フードガイア
 ・出場選手
 ・BAN対象キャラクター
 ・先鋒戦:水派 対 ふ~ど
 ・中堅戦:もけ 対 ぷげら
 ・大将戦:マゴ 対 どぐら
 ・総評

【MATCH2】ネモオーロラ 対 モモチスプラッシュ
 ・出場選手
 ・BAN対象キャラクター
 ・先鋒戦:キチパ 対 ジョニィ
 ・中堅戦:ガチくん 対 藤村
 ・大将戦:ネモ 対 ももち
 ・総評

【MATCH3】トキドフレイム 対 ウメハラゴールド
 ・出場選手
 ・BAN対象キャラクター
 ・先鋒戦:ときど 対 ウメハラ
 ・中堅戦:板橋ザンギエフ 対 まちゃぼー
 ・大将戦:りゅうせい 対 カワノ
 ・総評

SECTION1 第1節振り返り


ストリートファイターリーグ:Pro-JP 2020のルール

・1ラウンド99秒、2ラウンド先取制。2試合先取で勝利。
・各マッチは先鋒・中堅・大将戦を行い、勝利すると先鋒、中堅は1ポイント、大将のみ2ポイントを獲得。
・全10節を終了した時点で総合獲得ポイントの上位3チームがグランドファイナルへ進出。
・各チームは4人で編成され、各マッチごとに出場する選手を選ぶことができる。
・各マッチでは出場選手3名が発表された後、相手チームが使用するキャラクターを1体指定し、そのマッチ内で使用不可能にすることができる(キャラクターBAN)


SECTION1 第1節組み合わせ

開幕戦ということで選手たちにとっても要注目となった対戦の組み合わせは、

マゴスカーレット vs フードガイア
ネモオーロラ vs モモチスプラッシュ
トキドフレイム vs ウメハラゴールド

となった。
見どころとしては各チームの仕上がり具合に加え、メンバー選出やキャラクターBANといったチーム戦略の違いだろう。それに加え、前回のリーグで優勝を果たしたマゴスカーレットのポテンシャルやリーグ初参戦にして初リーダーを務めるモモチスプラッシュの戦力などが特に注目されることとなった。


【MATCH1】マゴスカーレットvs フードガイア

・出場選手

マゴスカーレットはリーダーのマゴに続き、もけ、水派の若手2名を起用。MOVはサポートに。それに対してフードガイアは、ふ~ど&どぐらのベテラン2人に初参戦のぷげらを起用。Shutoがサポートとなった。まずはお互い初戦ということで、どのような組み合わせやキャラクターBANが来ても対応しやすいように、バランスが取れた布陣を整えたようだ。

・BAN対象キャラクター

マゴスカーレットのキャラクターBAN対象には水派がメインキャラクターとするコーリンが選択され、フードガイアのキャラクターBAN対象にはふ~どのサブであり、ぷげらのメインであるポイズンが選ばれた。マゴスカーレットとしてはリーダーであるふ~どのポイズンを封じると同時に、ぶげらのメインもBANすることで少しでも有利な組み合わせを増やすのが狙い。これはフードガイアに対して非常に効果的なBAN選択といえる。

一方のフードガイアとしてはもけのラシードをBANするいこともあり得そうだったが、開幕戦という情報が少ない中でまずは水派のコーリンを脅威ととらえた模様。

・先鋒戦:水派 対 ふ~ど

コーリンをBANされた水派とポイズンをBANされたふ~どのBAN対象同士の開幕戦。先鋒戦はBANをされた選手が選ばれることの多い中、マゴスカーレットは定石通り水派を起用。水派はリーグ初参戦にして初戦を担うことになった。それに対してフードガイアはぷげらの選出が安定かと思えたが、なんといきなりリーダーであるふ~どが登場。

フードガイアとしては体力が低く若干安定性に欠けるぷげらのセスよりも、数々の大舞台を経験し対応力の高いR.ミカを起用することでチームの勢いを作ろうとしたようだ。

飛び道具を持たないキャラクター同士のため、試合開始から積極的なプレイが見られる両名。水派“是空”は若を主体に前ステップから果敢な攻めを見せる一方で、ふ~ど“R.ミカ”はそれに臆することなく“置き技”の立ち強パンチや対空のしゃがみ中パンチなど適切な技で主導権を握っていく。

技選択の冴えを見せるふ~ど“R.ミカ”が初戦を制するも、是空は続く2試合目第1ラウンドでふ~ど“R.ミカ”の隙をついた立ち強パンチからの攻勢に転じラウンドを奪取。

しかしふ~ど“ミカ”はそれにひるむことなくハイスピードな読み合いを仕掛け、主導権を渡さない。
最後は終始効果的に機能した立ち強パンチからクリティカルアーツ“バッドリーピーチ”にコンボをつなげてフィニッシュ。カウント“2-0”でふ~どが先鋒戦に勝利。

・中堅戦:もけ 対 ぷげら

中堅戦は『ストリートファイターV』の稼働当初からラシードを使い続けるもけと、シーズンを経るごとにメインを変更し、いずれのキャラクターもハイレベルに使いこなすぷげらのマッチアップ。

もけは昨期リーグでBANが集中したことにより苦戦を強いられたが、今回は初戦からラシードが使用可能に。一方のぷげらは、メインのポイズンがBANされたためセスを起用。解き放たれた強豪ラシードと、新キャラクターであるセスというお互いの選手としての個性が色濃く出る一戦となった。

試合は先鋒戦と変わりじっくりとした立ち合いから始まる。もけ“ラシード”は機動力と立ち回りの強さを活かしたいものの、ぷげら“セス”のVスキルI“丹田エンジン”と空中からの“アナイアレイトソード”のプレッシャーに苦戦。一方のぷげら“セス”は、もけ“ラシード”の丁寧な牽制のさらに上を行き、見事なさし返しで体力を奪っていく。

もけ“ラシード”は我慢を強いられる展開が続くもセス側の攻めを絶妙にいなし、ダメージを重ねて逆転。続く2ラウンド目では早々に画面端に追い詰め、得意の攻めを見せて1試合目を先取した。

続く2試合目1ラウンドでは、ぷげら“セス”がVトリガーI“丹田イグニッション”で大ダメージを狙うも、攻守をバランスよく切り替えるもけ“ラシード”の前に主導権を取り返すことができず、逆にもけ“ラシード”のVトリガーI“イウサール”の前にガードを崩されてしまい、そのままもけが勝利。カウント“2-0”でもけが中堅戦を制した。

・大将戦:マゴ 対 どぐら

ポイント1-1のイーブンで迎えた大将戦。マゴスカーレットはかりんとキャミィの2キャラをハイレベルに仕上げているリーダー・マゴと、ベガとセスに加えユリアンも使用するマルチプレイヤーのどぐらというお互いのキャラクター選出が読みづらい1戦。ここではお互いがどのキャラクターが来ても対応できるように、キャミィとベガを選出。この読み合いはイーブンといったところか。

この組み合わせは空中からの攻めが強みのマゴ“キャミィ”と地上での制圧力に秀でたどぐら“ベガ”という構図。序盤はマゴ“キャミィ”がどぐら“ベガ”の攻めより一瞬早くしゃがみ中キックを決めたところからペースを握る。

そこからは、不利な状況からのキャノンスパイクや果敢な飛び込みといった強気の行動が功を奏し、マゴ“キャミィ”がラウンドを先取。続くラウンドも勢いに乗るかと思いきや、どぐら“ベガ”は丁寧な立ち回りを継続し、マゴ“キャミィ”の攻めをいなすことでラウンドを取り返す。

3ラウンド目は、徐々に動きづらくなったマゴ“キャミィ”が地上にいるところへ得意の制圧力を見せつけてマゴ“キャミィ”をスタン。どぐらが試合を先行した。

2試合目になると、マゴ“キャミィ”はVトリガーI“デルタドライブ”の効果で一時的に性能が強化された必殺技で主導権を取り返そうとするも、どぐら“ベガ”のVリバーサルにより攻めが継続できずに強みを消されてしまう。最後は終始相手の動きをコントロールし続けたどぐら“ベガ”が、渾身のしゃがみ中キックを決めてゲームセット。カウント“2-0”でどぐらが勝利した。

・総評

出場選手やキャラクターBANでは互いに堅実な選択をする中、先鋒戦のオーダーでリーダーのふ~どを起用し先鋒戦を制したフードガイアが大将戦も制し3ポイントを獲得。

開幕戦ということでお互いの調子が見えづらい中、果敢に主導権を握ろうとする相手に対して、対応力で上回った形が多く見られたのが印象的であった。

惜しくも破れてしまったマゴスカーレットだが、昨期に苦戦したもけの仕上がりが非常によかったためこれからの活躍にも期待したい。

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 水派
(是空)
0-2 ふ~ど
(レインボー・ミカ)
中堅戦 もけ
(ラシード)
2-0 ぷげら
(セス)
大将戦 マゴ
(キャミィ)
0-2 どぐら
(ベガ)
獲得ポイント 1 3

【MATCH2】ネモオーロラ 対 モモチスプラッシュ

・出場選手

MATCH2は昨期惜しくも準優勝となったネモオーロラと、ストリートファイターリーグ初参戦のモモチスプラッシュの組み合わせ。
出場選手は、ネモオーロラはベテランのsakoをサポートに下げてネモ、キチパ、ガチくんを選出。一方のモモチスプラッシュはポイントゲッターのももちと藤村に加え、若手かつ爆発力のあるジョニィを起用し、同じくベテランのハイタニをサポートに置いた。
ここでは爆発力のあるキチパ、ジョニィをお互いが起用することとなり、両チームともこの開幕戦を優位に運びたいという強い姿勢が見受けられた。

・BAN対象キャラクター

続いてキャラクターBANの様子。ネモオーロラ側はキチパのザンギエフが選ばれ、モモチスプラッシュ側は藤村の春麗がBAN対象に。キチパは昨期でもザンギエフをBANされることが多く、モモチスプラッシュは今期も脅威と捉えた模様。
一方のネモオーロラはマルチプレイヤーのももちの使用キャラクターより、もう一人のポイントゲッターである藤村の戦力を削ぐことを選択した。

・先鋒戦:キチパ 対 ジョニィ

先鋒戦はキチパのアビゲイルとジョニィのGという重量級マッチアップ。BAN対象となったことからセオリー通りに先鋒に置いたネモオーロラに対し、リーグ初参戦にしてチームの若手であるジョニィを選び、まずはチーム戦に慣れさせようとする狙いのモモチスプラッシュ。キチパは昨期のキャラクターBANを経て、サブキャラクターのアビゲイルをどこまで仕上げてきたのかが注目された。

序盤は飛び道具である“G・バースト”を撃ちつつ、突進技の“G・スマッシュ・オーバー”を狙うジョニィ“G”に対し、無駄な被弾を減らしすきを窺う丁寧なキチパ“アビゲイル”といった形に。キチパ“アビゲイル”はその巨体から苦戦を強いられるかと思いきや、“G・スマッシュ・オーバー”を垂直ジャンプで躱すことで反撃。続けてもう一度同じ構図を作ることで大きなリードを獲得。ここでペースを掴んだキチパ“アビゲイル”は、徐々に強気な選択を増やしていきラウンドを連取。サブキャラクターながら相手キャラクターへの対策が見える動きで試合を先制した。

続く2試合目は、ジョニィ“G”も負けじと前ジャンプからのコンボを決めたほか、強力なVトリガーである“マキシマムプレジデント”を駆使してラウンドを奪取。序盤の相手のミスを狙うような立ち回りからハイペースに仕掛ける形に切り替えたことで、キチパ“アビゲイル”の動揺を誘って2試合目を取り返した。

最終戦は序盤こそじっくりとした立ち回りから始まるものの、お互いがペースを握らせまいと強気な選択と、その行動への対応が交錯するお互いのキャラクターのよさを活かした乱打戦となった。

ラウンドフルセットとなった最終ラウンドでは、キチパ“アビゲイル”が大きなチャンスを得るものの、コンボをミスしてしまい一転窮地に。お互いの体力が少なくなる中、最後はキチパ“アビゲイル”の“メトロクラッシュ”がGにヒットしてゲームセット。

メインキャラクターのザンギエフをBANされつつも、ギリギリの戦いを制したキチパが“2-1”で勝利しチームに大きな貢献をもたらした。

中堅戦:ガチくん 対 藤村

サブキャラクターで勝利したことによりチームの士気が上がったネモオーロラは、続く中堅戦でポイントゲッターのガチくんを選出。

それに対し、モモチスプラッシュはここで藤村を選ぶことで大将戦にももちを残す判断。藤村自身は高いプレイヤー性能で複数のキャラクターをハイレベルに使いこなせるものの、相手のガチくんは2018年の世界大会カプコンカップ覇者であり、どこまでサブキャラクターが通用するのかという構図になった。

世界トッププレイヤー同士の試合は開幕から細かい距離調節と技の牽制が応酬するハイレベルな展開。ガチくん“ラシード”の前ジャンプに対して素早い反応で対空する藤村“豪鬼”がペースをつかむかと思いきや、あえてリスキーな“EXスピニング・ミキサー”での割り込みを早めに見せることで、相手の心理を乱したガチくん“ラシード”がラウンドを先制。

2ラウンド目に入り再びお互いが隙を窺う立ち回りになるものの、先のラウンドのこともあってか若干攻めあぐねる藤村“豪鬼”に対してリターンを重視した選択を選ぶガチくん“ラシード”。藤村“豪鬼”の安定な行動パターンであるしゃがみ中キックからの“波動拳”に対して、ラシードは強気な前ジャンプで反撃を決め藤村“豪鬼”にペースを握らせることなく1試合目を勝利した。

2試合目の序盤では藤村“豪鬼”がペースを取り返すものの、画面端で対空をしようとした“豪昇龍拳”がラシードの三角跳びで躱されてしまい手痛い反撃をもらってしまう。試合はそのままラシード優勢に進み、長い使い込みからくる洗練された動きが光ったガチくん“ラシード”が勝利。カウント“2-0”でガチくんが勝利。先鋒戦に続きネモオーロラがポイントを獲得した。

大将戦:ネモ 対 ももち

連勝して勢いづいたネモオーロラに対して、ここで初勝利を収めることでポイントをイーブンにしたいという思いの中で迎えた大将戦。マッチアップはリーダーであり昨期の個人成績1位のネモのユリアンと新キャラクターのセスを引っ提げて初参戦となったももち。

試合は序盤からももち“セス”がハイペースな攻めを展開し、ネモ“ユリアン”がそれを凌ぐ展開に。矢継ぎ早に繰り出される技に徐々に体力が奪われるネモ“ユリアン”だが、中盤になると強力なVトリガーである“エイジスリフレクター”を発動。そこから連続して投げを選択しももち“セス”のガードを崩して先制した。

ももち“セス”はネモ“ユリアン”のエイジスリフレクターが発動可能になるまでに大きいリードを取ろうとするものの、十分な優位を作ることができない。一方のネモ“ユリアン”は画面端で再度“エイジスリフレクター”を発動。先のラウンドで投げに選択を偏らせたことから打撃技による崩しを成功させて、ネモがラウンドを連取した。

続く2試合目は優位な状況となったネモ“ユリアン”が能動的に動くことで、ももち“セス”が動きづらい展開を作る。窮地に陥ったももち“セス”は逆転のきっかけとなる“起き攻め”を成功させるものの、最後の一手で“アナイアレイトソード”の入力をミスしてしまいラウンドを落としてしまう。

続くラウンドで、ようやくペースを取り戻すものの、EXゲージを使い切ってしまった3ラウンド目では攻めが失速してしまい防戦に。

最後はももち“セス”を画面端に追い詰め、貯まり切ったEXゲージをふんだんに使った攻めを見せつけたネモ“ユリアン”が勝利。カウント“2-0”でネモが勝利した。

・総評

終わってみれば獲得ポイント“4-0”でネモオーロラが快勝。その起点となったのは、サブキャラクターながら接戦の末勝利を収めたキチパの活躍だろう。この勝利による精神的優位から中堅戦、大将戦と勢いを増していったように見えた。

一方のモモチスプラッシュは各選手の仕上がり具合が気になるところ。どの試合もワンポイントが試合の勝敗を分けているため、修正次第ではチーム全体が勢いづくのではないだろうか。

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 キチパ
(アビゲイル)
2-1 ジョニィ
(G)
中堅戦 ガチくん
(ラシード)
2-0 藤村
(豪鬼)
大将戦 ネモ
(ユリアン)
2-0 ももち
(セス)
獲得ポイント 4 0

【MATCH3】トキドフレイム 対 ウメハラゴールド

・出場選手

第1節最終戦となるMATCH3はときど、板橋ザンギエフ、りゅうせいを選出したトキドフレイムと、ウメハラ、まちゃぼー、カワノを選出したウメハラゴールドの一戦。トキドフレイムはストーム久保を、ウメハラゴールドはナウマンをサポートに置いた。

選出については、両チームともネモオーロラやフードガイアと同様、どんな相手にも対応できるメンバーをそろえたといったところか。いずれの選手もポイントゲッターとして活躍できる実力があり、この時点ではオーダーが読みづらい展開となった。

・BAN対象キャラクター

BAN対象キャラクターではトキドフレイム、ウメハラゴールドともにリーダーのメインキャラクターを選択。

お互いの作戦時間の様子を見るに、メンバーの選出からBAN対象キャラクターの選択までは想定内の模様。ここまではまったくの五分といったところで、続く先鋒戦のオーダーと試合内容が注目されることとなった。

・先鋒戦:ときど 対 ウメハラ

先鋒戦はお互いのチームのリーダーであり、メインキャラクターがBANされたときどのユリアンとウメハラの影ナル者のマッチアップ。

二人は常に世界のトッププレイヤーであると同時に、ことあるごとに豪鬼とガイルというマッチアップで熾烈な戦いを繰り広げてきた。そんな二人が公式大会では初であろうサブキャラクター同士で戦うということで、チーム戦としてはセオリーな選択ながらその試合内容に大きな注目が集まることになった。

試合はお互いが飛び道具を持っていることから、それぞれが打ち合いで牽制する中で攻めるタイミングを窺うといった流れ。ときど“ユリアン”がウメハラ“影ナル者”の“灼熱波動拳”を読んでコンボを決めれば、次のタイミングにはそれをさらに先読みしたウメハラ“影ナル者”が“クラッシュカウンター”を取ったりと序盤から読み合いが交錯していく熱い展開に。

しかし、徐々にときど“ユリアン”が長いリーチの通常技によりペースを握る。それに対してVトリガーI“大逆無道”で逆転を狙うウメハラ“影ナル者”だが、冷静に立ち回るときど“ユリアン”には隙が無く、無理に攻めようとした結果、逆に体力を奪われてしまい1試合目はときど“ユリアン”が勝利した。

続く2試合目になると、試合を取り返すため前に出るウメハラ“影ナル者”と、それを捌くときど“ユリアン”という構図になった。ウメハラ“影ナル者”はところどころでダウンを奪うものの、続く読み合いで勝つことができず、ときど“ユリアン”のしゃがみ弱パンチからのコンボや唐突な“EXチャリオットタックル”を食らってしまう。ウメハラ“影ナル者”は溜めたEXゲージを効果的に使えず、じわじわと押し返される厳しい状況のまま試合は進み、最後はときど“ユリアン”が得意のEXチャリオットタックルをヒットさせて決着。カウント“2-0”でときどが先鋒戦を制した。

・中堅戦:板橋ザンギエフ 対 まちゃぼー

リーダー同士の試合をトキドフレイムが制した後の中堅戦。出てくるのは、昨期までリーダーを務めていた国内屈指の投げキャラ使いである板橋ザンギエフと、昨期には10節中7節でキャラクターBANをされたものの、サブキャラクターの豪鬼を使って全勝という驚異的な結果を残したまちゃぼー。

両チームがベテランを中堅戦に置き、りゅうせいやカワノといった若手を対象に置くという戦略を取ってきたことには驚きだ。

ザンギエフとネカリはお互い終盤に強いキャラクターということで、試合の立ち上がりはゆっくりするかと思いきや、お互いがそれを逆手にとって序盤から読み合いを仕掛け、優位を取ろうとする展開に。

数々のクラッシュカウンターが両者に発生する激しい主導権の奪い合いはまさに一進一退。ギリギリのところまでもつれた1試合目は、勝負所でまちゃぼー“ネカリ”の垂直ジャンプを読み切った板橋“ザンギエフ”が“EXボルシチダイナマイト”を決めて先制した。

2試合目も激しい打撃のぶつかり合う中、的確な行動で相手を追い詰めるまちゃぼー“ネカリ”は徐々に板橋“ザンギエフ”を追い詰めはじめペースとともに2試合目を取り返す。

2試合目を制したまちゃぼー“ネカリ”は、最終戦でもそのペースを活かし試合を優勢に進める。板橋“ザンギエフ”は得意の読み合いでラウンドを取り返すものの、最後は冷静に状況をコントロールしたまちゃぼー“ネカリ”がしゃがみ中パンチを決めてフィニッシュ。これでウメハラゴールドが1ポイント獲得し、勝負の行方は若手同士の大将戦に委ねられた。

・大将戦:りゅうせい 対 カワノ

イーブンで迎えた大将戦は、お互いが若手ながら国内トップクラスの実力を持つりゅうせいのユリアンとカワノのコーリンが対決。ときどとウメハラという世界のトップで戦い続けるリーダーから任されただけあって、両者とも気合の入った表情を見せていた。

ユリアンとコーリンはどちらもVトリガーが強力なキャラクター。いかにVトリガーを活かすのかというのがポイントだが、この試合では1ラウンド目にりゅうせい“ユリアン”、2ラウンド目にカワノ“コーリン”が序盤に体力を先行することで、相手のVトリガーに付き合わずにラウンドを勝利する。予想と違い序盤の立ち回りがポイントとなったマッチアップは、3ラウンド目のEXゲージの活用で差をつけたりゅうせい“ユリアン”がカワノ“コーリン”を封殺。1試合目を勝利した。

2試合目もポイントとなるのはVトリガー発動までの立ち回りというのは変わらない。強気な選択を狙うりゅうせい“ユリアン”に対し、落ち着いた立ち回りで相手の動きをコントロールしはじめたカワノ“コーリン”がりゅうせい“ユリアン”を追い詰める時間が増えていく。りゅうせい“ユリアン”は負けじと前ダッシュから攻めを展開しようとするが、カワノ“コーリン”の強固な守りを崩すことができず、2試合目はカワノ“コーリン”が取り返した。

まさに大将に選ばれるにふさわしい動きを見せる接戦は、それまでほとんど見られなかったお互いのジャンプが命運を分ける。

序盤に体力を先行しようとするカワノ“コーリン”の前ジャンプをりゅうせい“ユリアン”がしゃがみ強パンチで対空すると、続く起き攻めを連続して成功させラウンドを先取する。

続く2ラウンド目には、体力が五分の状態でカワノ“コーリン”がVトリガーII“アブソリュートゼロ”を発動。ようやく理想の状況になり攻めの姿勢を見せたところ、それを読み切ったりゅうせい“ユリアン”が前ジャンプからのジャンプ強パンチをヒットさせて大きく体力を奪い、再び起き攻めを成功させる。勝負所での判断が功を奏したりゅうせいがカウント“2-1”で大事な大将戦で勝利を収めた。

・総評

メンバー選出からキャラクターBANの選択、さらにはオーダーに至るまで戦略面ではまったくの五分となったトキドフレイムとウメハラゴールドの1戦は、先鋒戦を制することで良い流れを生み出したトキドフレイムが勝利した。

しかし、試合内容を見てみると、特に中堅戦と大将戦はどちらに転んでもおかしくない内容であり、各選手の仕上がりの良さを感じられる。特にりゅうせいとカワノは大将戦であっても萎縮せず十分な実力を発揮できていたことから、これからの戦いぶりにも注目したい。

今回はお互いリーダーのメインキャラクターがBANとなったため、2巡目となる後半戦では両者がメインキャラクターを使用することができる。その時に、リーダー同士のマッチアップが再度見られるのかは、今から大きな楽しみとなりそうだ。

対戦選手
(使用キャラクター)

勝敗

対戦選手
(使用キャラクター)

先鋒戦 ときど
(ユリアン)
2-0 ウメハラ
(影ナル者)
中堅戦 板橋ザンギエフ
(ザンギエフ)
1-2 まちゃぼー
(ネカリ)
大将戦 りゅうせい
(ユリアン)
2-1 カワノ
(コーリン)
獲得ポイント 4 0

SECTION1 第1節振り返り

いよいよ開催となった“ストリートファイターリーグ: Pro-JP 2020”。
その開幕戦となる第1節を終えた結果、ネモオーロラが唯一の3連勝で首位に立った。続くのは重要な大将戦を制したフードガイアとトキドフレイムの2チーム。

第1節ということでお互いに手探りをする印象がある中で、先鋒に若手選手を任せることでチームの勢いを作ろうとしたモモチスプラッシュや、メインキャラクターの高い実力を評価し、惜しみなく若手選手を大将に据えるウメハラゴールドなど、各チームの戦略性の違いも僅かにみられる内容だった。

水派対ふ~どの試合後インタビューで触れていたが、ふ~どにとっては水派が是空を使用するのは意外だったようであり、第2節、第3節あたりまではお互いの戦略や各選手の起用キャラクターなど“情報の探り合い”が続くのではないだろうか。

それに加え、トッププレイヤー同士の試合では内容がギリギリになればなるほど、選手本人のコンディションが勝敗に大きく影響する。その辺りを踏まえて第2節以降の各チームの情勢について我々も注目していくことがリーグを楽しむカギとなりそうだ。